エクアドル共和国
食糧増産援助
(2000年3月、在エクアドル大使館)
<プロジェクト概要>
援助形態 |
無償資金協力 |
協力年度 |
95年度、4億円 |
相手国実施機関 |
農牧省 |
協力の内容 |
インバブーラ州、コトパクシ州で生産される小麦、大麦、トウモロコシ、豆、ジャガイモの生産量を30%増加し、右作物の国内自給及び同地域零細農民の生活改善を図ることを目的に、農業機械及び肥料の供与を行う。 |
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<評価要旨>
1.効率性
2KRによる資機材供与により、労働生産性、土地生産性、生産コスト縮減が図られ、適正かつ合理的な営農が可能となった。その結果、農家収入もインバブーラ州で17%、コトパクシ州で421%も向上することとなり、効率的な協力の実施がなされたと考える。
2.目標達成度
いずれの作物も、当初目標としていた増産率30%を大幅にクリアーし、作物の生産量は倍増することとなった。この理由として、(1)農業機械の導入により耕作面積が広がったこと、(2)農業肥料の適正投入により単位面積当たりの収量が増加したことが上げられる。
3.インパクト
収入の増加など農家に直接分かる形で効果が発現しており、インパクトは大きい。その結果、自ら有機肥料の製造をしたり、灌漑用水路の建設をするといった自助努力の意識が芽生えてきた。
4.計画の妥当性
生産目標を達成していること、裨益農家の収入が改善されていることなどから、当初計画は妥当であったと考える。ただ、供与された農業機械の一部において、機械の性能と現地での使用方法の違いにより、在庫となるケースが生じ、導入の際には、現地の農業事情を十分把握する必要があると考える。
5.自立発展性
農業機械の維持管理能力などにおいては、農業者による組合により、人員及び予算の確保がなされており、問題ないと考える。また、自ら有機肥料の製造、灌漑用水路の建設をするなど、自助努力の意識が芽生えており、十分自主発展性につながっているものと思料する。
6.環境及びジェンダーヘの配慮・影響
環境及びジェンダーヘの配慮・影響はいずれも問題ない。
7.今後必要なフォローアップ
特に必要ない。
8.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされる事項
裨益者に直接効果が伝わる案件は、成功に導かれるとともに、裨益者からの感謝の念も大きいものとなる。一方、2KRのような農業者(専門家ではないもの)に対する援助では、他の援助にも増して農業事情などを十分把握して、援助資機材の選定に当たることが肝要である。