1.評価対象プロジェクト名:プランケ橋建設計画 |
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2. |
国 名: |
チリ |
実施機関名: |
第9州クラレウエ村 |
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3.援助形態:
草の根無償資金協力 1999年 245万円 |
4.評価実施機関名:在チリ日本国大使館 |
5.現地調査実施期間:2002年3月18~19日 |
6.プロジェクトの分野: 社会基盤 |
7.政策目的又は政策の方向性: 貧困地域対策
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8. プロジェクトの目的:
クラレウエ村は、首都サンチャゴから南約680kmに位置する第9州の州都テムコ市の西方約160km、アルゼンチンとの国境地帯に位置する人口約6千人の村である。同村は先住民族であるマプチェ族が多く、貧困率が高い。
プランケ地区は村の中心部から北方約35kmの山間部に位置しているマプチェ族36家族、216名が居住する集落であるが、交通手段は徒歩か馬に頼っており、公共交通は1日に1本通るバスだけである。診療出張所や小学校の分校、バス停は全て谷川で隔てられた集落の対岸にあるが、川を渡るための橋がないため、これまでは2kmほど下流にある橋まで徒歩か馬で移動しなければならなかった。
本プロジェクトは、この移動時間を短縮するため、集落の位置するところに吊り橋を建設したものである。
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9.評価結果:
吊り橋は、安全の確保のため村が留意しているとのことで村の建設課職員が定期的に点検しており、調査時にも良好な状態で使用されていた。
冬季に降雪や凍結のため滑ることがあり、この対策として滑り止めのための板止めが施されており、構造的な工夫もなされていた。
インタビューでは集落の住民5人に話を聞いた。橋の完成以降、集落の住民のほとんどがこれを利用しており、日常の移動時間が短縮され大変助かっているとの評価であった。特に、病気の時は、場合によっては徒歩で1時間かけて診療出張所へ行かなければならなかったが、吊り橋が出来たことにより馬で直ぐに対岸の良い道路に渡ることができ、時間の短縮に繋がっている、とのことあった。さらに、急病人の搬送時には、集落の直ぐ近くの対岸に救急車が来れば病人を搬送することができるようになり、そうした緊急時の不安もなくなったとのことであった。
以上より、本プロジェクトは、その実施により当初の目的が達成され、実施後も継続的に良好な維持管理がなされていると評価できる。
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10.提言:
本件では村が適切に維持管理していたが、今後も同様の案件実施の際には、完成後の維持管理が適切になされるような見通しがあることが重要である。 |