1. 評価対象プロジェクト名: 地雷対策支援 |
(クリックすると画像が変わります)
|
2. |
国 名: |
カンボジア |
実施機関: |
カンボジア地雷対策センター(CMAC) |
|
3. 援助形態:
・ |
第一次地雷除去活動支援機材整備計画
無償資金協力(一般プロジェクト無償) 1998年 4.7億円 |
・ |
第二次地雷除去活動支援機材整備計画
無償資金協力(一般プロジェクト無償) 1999年 3.3億円 |
・ |
情報システム上級技術アドバイザー派遣
技術協力(長期専門家派遣)1名 1999年 |
・ |
維持輸送担当アドバイザー派遣
技術協力(長期専門家派遣)1名 2000年 |
|
4. 評価実施機関名: 在カンボジア日本国大使館 |
5. 現地調査実施期間: 2002年2月13日~15日 |
6. プロジェクトの分野: 社会配慮、社会基盤、人的資源 |
7. 政策目的又は政策の方向性:
「対人地雷除去」「持続的な経済成長と安定した社会の実現」「都市と農村のバランスある発展」「地雷除去要員の育成」 |
8. プロジェクトの目的:
同国には長年の内戦期間中に埋設された推定4~6百万個ともいわれる対人地雷が残存しており、被災者は毎月50~90人に上る。こうした残存地雷は人間の生命・生活に対する脅威であると共に同国の社会・経済開発にとって大きな阻害要因となっている。我が国は、カンボジアを地雷対策支援のモデル国として同国唯一の地雷除去実施政府機関であるCMACを中心として積極的に支援してきた。CMACの除去活動に係る機材供与及び技術指導を通じ地雷除去活動の安全かつ効率化及びスピードアップを図ることにより、埋設地域の住民の生命・生活を守ると共に農村開発に資することが目的である。
|
9. 評価結果:
本事業の効果については、バッタンバン州を中心にCMACが展開する第2除去部隊(DU2)へのヒアリングを行った結果、2001年現在において下記の成果が得られており、本事業の実施が十分妥当であったと評価できる。
<機材供与>
機材供与(特に潅木除去機の導入)によって、直径20cm以上の樹木が生い茂り、かつ1平方メートルあたり3~4個もの地雷が埋設されている極めて危険な地雷原での活動が可能となり、除去面積が飛躍的に拡大した。また、テント、ベッド、給水タンク等の機材供与によって野営地が設置されたことにより、除去サイトまでの時間の短縮やオペレーションコストの低下が図られるなど除去活動も効率的に行われるようになった。このように我が国の機材供与は、総じて対人地雷問題への包括的支援を目指す我が国の援助政策及び優先度にも合致していると判断される。また、除去活動が効率的に行われるようになった点からも、本件プログラムの目的は相当程度達成されたといえる。
<技術指導(専門家派遣)>
情報システム担当の専門家派遣により、地雷除去に関するデータや在庫・人材・会計管理等多岐に及ぶ部内情報処理システムが整備され、組織の効率的・円滑な運営に大きく貢献している。また、輸送維持管理専門家の派遣により、車両及び機材の操作指導及び在庫管理の徹底化を通じ、維持管理システムが確立した。これにより効率的かつ持続的な機材の運用及びメンテナンスの促進に寄与するものとなった。従って、人材育成が急務となっている同国において、地雷分野における専門家の派遣は我が国の経済協力に十分合致しており、また上記事例にも見られる通り目的達成度においても十分な効果が見られている。
|
10. 提言:
本事業は、人道的及び社会的・経済的に大きな援助効果あったと認められるが、同時に、近年の埋設地域の開発計画が進むにつれ、除去活動範囲の拡大が必要となり、結果、灌木除去機やその他の機材が不足している状況にある。従って、機材・パーツの一層の補完・補充が必要となっている。また、機材のメンテナンスにおいて必要となるパーツも現地調達が不可能なものについては海外からの取寄せが必要となるため、現在のCMACの財政事情からして独自の調達は非常に困難である。住民の安全及び農村開発は依然として同国の重点分野であるため、今後は道路整備や学校・病院等の公共施設の整備を伴うプロジェクトと統合させる等により、一層効果的な案件形成が可能となると思料する。
|