ボリヴィア共和国
エル・アルト国際空港近代化計画
(2000年3月、在ボリヴィア大使館)
<プロジェクト概要>
援助形態 |
無償資金協力 |
協力年度 |
93年度~96年度、36.75億円 |
相手国実施機関 |
空港・航行援助施設管理公団(AASANA) |
協力の内容 |
老朽化したエル・アルト空港の航空保安施設の整備を行うことにより、精度の良い、また信頼性の高い航法、着陸援助情報を提供することができ、管制、通信のサービスレベルの向上を通じ、航空機の安全な運行確保に大きく寄与する。 |
|
(クリックすると画像が変わります)
|
<評価要旨>
1.効率性及び目標達成度
エル・アルト空港は、新しいターンエリアを備えるとともに、滑走路の縁部(路肩)がアスファルト舗装され、滑走路灯、誘導路灯が整備された。また、全てが近代技術の新しい機材で装備された新管制タワーを備えるとともに、航行援助装置、通信機材等が完備された。その結果、ボリヴィア全土の航空管制センターとしての信頼性が増し、エル・アルト空港への接近と離着陸時の操縦安全性が向上した。 本計画は、航空機の安全運行を確保するため、必要最小限の施設の建設及び機器の供与を行ったものであり、目的は100%達成されている。
2.インパクト
エル・アルト空港の航空管制と通信の機材が改善された結果、航空機の安全な運行確保に寄与した。ボリヴィアの現在の経済情勢より1999年には利用客が減ったが、エル・アルト空港は、今後、数年間に相応以上(経済回復以上)の利用客が増えることが期待されている。
3.計画の妥当性
老朽化したエル・アルト空港の航空保安施設の整備を我が国政府の無償資金協力により実施したことにより、精度の良い、また信頼性の高い航法、着陸援助情報を提供することができた。管制、通信のサービスレベルの向上を通じ、エル・アルト空港への接近と離着陸の際の操縦安全性が向上したのは言うまでもないことであり、本計画は妥当であったと判断できる。
4.自立発展性
本計画で供与した機材などは概ね順調に稼働している。しかし、一部では部品の不足及びその部品が入手できないため、稼働していないものも見受けられる。このため、不測の事態に対応できるシステムを構築する必要がある。
5.環境及びジェンダーヘの配慮・影響
環境影響については、管制タワーやその他の施設の建設場所が既存の空港敷地内(一部は空港敷地外)に建設されたことにより、何らの問題ももたらさなかった。また、直接的に女性支援に結びつくものではないが、計画における女性スタッフの参加については、この種の計画に要する普通の女性スタッフを日本企業もボリヴィア側カウンターパートも雇用した。
6.今後必要なフォローアップ
空港・航空管制公団(AASANA)は、部品供給に関して、我が国による恒常的なフォローアップとモニタリングを希望しているが、このことは、特に人命に関わる問題であり、他国に頼ることなくボリヴィア国が部品不足に因る何らかの機材の稼働停止をさけるため、必要部品を備える適切なシステムを構築する必要がある。
7.将来他のプロジェクトを実施する場合に教訓として活かされる事項
この種の将来計画に関しては、本計画で実施した行程やステップと同じ行程やステップを踏むことが勧告される。本計画では有能なコンサルタント会社を選択したことが良好な実施を決定ならしめたと考える。今後、予期しなければならない問題としては、計画終了後の部品の供給である。