1.評価対象プロジェクト名:経済インフラ整備支援 |
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2. |
国名: |
バングラデシュ人民共和国 |
実施機関: |
交通省道路局 |
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3.援助形態:
(1) |
メグナ橋建設計画:一般プロジェクト無償 1986~1990年度
79.57億円 |
(2) |
メグナグムティ橋建設計画:一般プロジェクト無償
1991~1995年度 82.03億円 |
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4.評価実施機関名:在バングラデシュ日本大使館 |
5.現地調査実施期間:2002年3月1日~2002年4月30日 |
6.プロジェクトの分野:運輸・交通 |
7.政策目的又は政策の方向性:投資促進・輸出振興のための基盤整備 |
8.プロジェクトの目的:
ダッカ~チッタゴン間道路の交通障害(フェリー渡河)を解消し、交通の円滑化を確保することで当国経済の発展に寄与すること。 |
9.評価結果:
首都ダッカと、第2の都市であり国内最大の貿易港を擁するチッタゴン市を結ぶ国道1号線は、人の移動、物流の面で経済を支える大動脈である。この国道1号線のネックとなっていたフェリー渡河を解消した点で、両橋の経済効果は非常に大きい。(以下効果に関する数字はすべて両橋梁完成前後の比較)
橋梁地点の通過交通量は約2倍に増加しており、ヒアリング調査によればチッタゴン方面からダッカまでの所要時間は平均約2時間程度の短縮が図られている。また、チッタゴン港の取扱貨物量は、メグナグムティ橋が完成した1995年を契機に飛躍的に伸びており、重量で約1.4倍、金額にして約2倍と増加している。国内第2の港モングラ港では同じ期間の取扱貨物量は微増にとどまっていることからも、チッタゴン港の取扱貨物量の増加が両橋梁の効果であることが推測される。
ダッカ近郊でメグナ川の対岸に位置しているコミラ地区では、地価が7.5倍に上昇した。この数字は他の地域と比較して格段に大きく、コミラ地区からダッカまでの所要時間が短縮したことによる効果と推測できる。
橋梁周辺地域の住民に対して社会環境面に関するアンケート結果を行なったところ、両橋梁が果たした効果と推測できるものとして、教育施設の充実、医療施設へのアクセス改善、収入の増加が挙げられ、98%の住民がVery good又はGoodと評価している。
以上のことから、両橋梁は当初の目標を十分に達成し、当国の経済成長(90年代は平均約4.8%)を支え、且つ周辺地域の経済・社会環境の改善にも寄与したといえる。
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10.提言:
今回の調査では、交通量、取扱貨物量に着目して物流に関する評価を行なった。今後は、輸送費用の変化、品目の変化、輸送手段の変化、周辺物流業者の状況等、物流に関する具体的な効果についても整理する必要があろう。 |