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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成25年11月11日
評価責任者:国別開発協力第二課長 花尻 卓

1 案件概要

(1)供与国名

コスタリカ共和国

(2)案件名

グアナカステ地熱開発セクターローン

(3)目的・事業内容

コスタリカ北西部グアナカステ県に複数の地熱発電所を建設し,再生可能エネルギーによる電力供給を増強することにより,同国の持続的な経済発展及び気候変動の緩和に寄与するもの。

ア 主要事業内容

  • 土木工事
  • 機器調達
  • コンサルティング・サービス

イ 供与条件

供与限度額 金利 償還(うち据置)期間 調達条件
560.86億円 0.6% 40(10)年 アンタイド

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

ア EIA(環境影響評価)

EIA報告書は2012年9月に環境エネルギー通信省(MINAET)により承認済み。

イ 用地取得

本事業は211ヘクタールの用地取得が発生するが,住民移転は伴わない。

ウ 外部要因リスク:特になし。

2 資金協力案件の評価

(1)必要性

ア 開発ニーズ

2011年現在,同国の電源の設備容量構成は,水力,火力,地熱,風力,バイオマスがそれぞれ約65%,21%,8%,5%,1%であり,再生可能エネルギーである水力が最大の電源となっているが,雨季と乾季の降雨量の差が激しい同国における水力発電は,乾季における降水量の減少により発電量が低下するという問題を抱えている。水力発電量の低下分は高コストの輸入化石燃料を使用した火力発電により補われており,温室効果ガス排出量の増大のみならず同国の発電コストを押し上げる要因となっている。

他方,水力に次ぐ同国第二の再生可能エネルギーである地熱発電は,年間を通じて安定的な電力供給が可能であり,温室効果ガス排出削減への貢献も期待されることから,同国における乾季の発電量増強手段として,これまで以上に重要性を高めている。同国の地熱発電ポテンシャルは約865メガワットと推測されている一方で,地熱による全設備容量は現状207メガワットにとどまっており,今後の地熱開発への期待は高い。

イ 我が国の基本政策との関係

平成24年4月に策定した「対コスタリカ国別援助方針」において,「環境分野を中核とした持続的発展への支援」を援助の基本方針(大目標)にすえ,(i)環境問題,(ii)産業振興の2分野を援助重点分野(中目標)として設定している。本件は,上記重点分野である環境,産業振興の両側面を充足する案件となる。

(2)効率性

過去の類似案件において,蒸気量の確保が事業効果発現の上で不可欠となるとの教訓を踏まえ,候補地点であるラス・パイラス地区及びボリンケン地区を対象に蒸気噴出試験に基づく貯留層のシミュレーションを行い,各サブプロジェクト実施前に熱源の開発リスクを低減する。

(3)有効性

本件の実施により,コスタリカの電源構成(事業完成2年後)を考慮した場合のCO2排出量は14,308トン/年と,ディーゼル火力発電のCO2排出量(294,728トン/年)と比較すると5%以下に削減できる。

また,本件は国際協力事業機構(JICA)及び米州開発銀行(IDB)との「中米・カリブ地域に対する再生可能エネルギー及び省エネルギー分野向け協調融資スキーム」の下での協調融資により実施されるもので,米州地域で豊富な知見を有するIDBとの協調融資により本件実施の強化が期待される。

3 事前評価に用いた資料,有識者等の知見の活用

要請書,国際協力機構環境社会配慮ガイドライン (http://www.jica.go.jp/environment/guideline/pdf/guideline01.pdf(PDF:314KB)他のサイトへ),その他国際協力機構より提出された資料。

案件に関する情報は,交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要,借款契約締結後公表される国際協力機構のプレスリリース及び事業事前評価表を参照。

なお,本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力機構が行う予定。


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