評価年月日:平成25年10月11日
評価責任者:国別開発協力第三課長 貴島 善子
ウガンダ共和国
西部ウガンダ地域医療施設改善計画
本計画は,ウガンダ西部(3県)の地域中核病院において医療施設及び機材の整備並びに技術指導を行うもの。供与額は,18.17億円。
・ホイマ地域中核病院:外来病棟(1,538m2),手術・産科病棟(1,509m2),受電棟(36m2),手術機材の整備。
・カバレ地域中核病院:外来・救急棟(1,623m2),手術・産科病棟(1,509m2),手術機材等の整備。
・フォートポータル地域中核病院:手術機材等の整備。
(1)本計画は,地域中核病院の建設及び機材整備を主たる内容としており,特段の環境社会影響は想定されないところ,JICA環境社会配慮ガイドラインにおいてもカテゴリーC(環境社会への影響が最小限)に分類される。
(2)以下の事項が,ウガンダ政府により実施される必要がある。
ア 本計画により建設される医療施設及び機材の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。
イ 活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。
(1)ウガンダ政府は,2010年に第二次国家保健政策(2010年~2020年)と保健セクター戦略・投資計画(2010年~2015年)を制定し,医療サービスへのアクセス改善や地域医療機関が連携した搬送システム強化を目指しており,特に保健施設の整備を優先課題と位置づけている。
(2)本計画の対象地域であるウガンダ西部3県(ホイマ県,カバロレ県,カバレ県)の地域中核病院は,保健センター(診療所規模)において対応出来ない手術,入院治療及び緊急搬送された患者の受け入れを行っている。しかしながら,同中核病院は,1930年~1950年頃に建設された施設であり,狭隘で老朽化が激しく,人口増加に伴う外来患者の増加に対応できない状態となっている。そのため,待合室や入院病棟等に患者が溢れ,院内感染が発生している。また患者が救急搬送されてきた場合にも,医療機材等の故障,老朽化及び機材の不足等により,適切な治療が出来ず支障を来している。
(3)我が国の対ウガンダ国別援助方針において,保健支援は重点分野の一つとなっている。同方針では,(1)地方の中核医療施設・機材の改善・拡充機材の維持管理技術向上,病院運営及びサービスの改善,(2)母子保健支援を通じて、5歳未満児及び妊産婦死亡率の削減に取り組む事としており,本計画は,これと整合している。
(1)平成17年度,18年度に実施した「東部ウガンダ地域医療施設改善計画」をふまえ,対象地域,施設規模及び機材整備の範囲を決定し,事業の効率的・効果的実施に努めた。
(2)他ドナー(アフリカ開発銀行)が実施した循環器検査棟(面積,仕様,平米単価等)と本計画を比較した上で,適切な設計・仕様を決定するとともに,コスト削減に努めた。
(1)ウガンダ西部3県(ホイマ県,カバロレ県,カバレ県)における医療サービスへのアクセスが改善され,地域医療機関が連携した搬送システムが強化される。
(2)本計画実施後,ホイマ地域中核病院における外来診察受診者は,現在の約12万人/年から約15万人/年に増加し,手術実施件数が約3,600件/年から4,500件/年に増加する。また緊急搬送患者への対応可能数が,現在の約3,600件/年から4,600件/年となる。
(3)本計画実施後,カバレ地域中核病院における外来診察受診者は,現在の約11万人/年から約14万人/年に増加し,手術実施件数が約5,800件/年から7,300件/年に増加する。また緊急搬送患者への対応可能数が,現在の約1,700件/年から2,100件/年となる。
(4)本計画実施後,フォートポータル地域中核病院における外来診察受診者は,約14万人/年から約18万人/年に増加する。
(1)ウガンダ政府からの要請書
(2)JICA事業化調査報告書(JICAを通じて入手可能)