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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成25年2月21日
評価責任者:国別開発協力第三課長 貴島 善子

1. 案件名

1-1. 供与国名

ニジェール共和国

1-2. 案件名

中学校教室建設計画

1-3. 目的・事業内容

本計画は,ニジェールの首都ニアメ市において,中学校の215の教室施設の新設・増設及び教育家具の整備を行うことにより,計画対象校における学習環境の改善を図るもの。
供与額:12.23億円

1-4. 環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

(1)以下の事項が,ニジェール政府により実施される必要がある。

ア 本計画により整備された施設及び機材を適切かつ継続的に維持管理すること。
イ 案件実施に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

(2)案件の実施には現地の治安の安定が前提となる。

2. 無償資金協力の必要性

2-1. 必要性

(1)ニジェール政府は,2003年に「教育開発10カ年計画(PDDE)」を策定し,教育分野での取組を進めている。

(2)ニジェール政府及び他ドナー等の取組により,初等教育における総就学率は約10年間で大幅に向上し(1999/2000学校年度:34.1%→2010/2011学校年度:76.1%),初等教育就学者数も急激に増加している。また人口増加とも相まって,中学校への進学者数も急速に増加しつつある。

(3)ニジェール政府は,このような状況に対応するため,中学校教室の整備をすすめているが,依然として教室数は不足しており,また既存教室の多くは藁葺き,土塀の教室であるなど,教室の拡充と学習環境の改善が課題となっている。

(4)ニジェール政府は上記PDDEにおいて,中学校の総就学率を向上させることを目標としている。本計画は中学校教室・教育家具を整備することにより,より多くの生徒に対して良好な学習環境を提供するものであり,PDDEの目標達成に貢献する。

(5)また,教育分野は,我が国の対ニジェール事業展開計画(2012年)において,援助重点分野として位置づけられており,さらに本計画は2011年からの5年間で各国への教育分野に合計35億ドルの支援を行うとした我が国政府の保健・教育5カ年コミットメント(2010年のMDGs国連首脳会合)の実現に寄与するものである。

2-2. 効率性

当初要請段階では地方の対象校も含む内容であったが,地方の治安情勢等を踏まえ,計画対象サイトをニアメ市周辺とすることでニジェール政府と合意し,対象を絞り込んだ。さらに,同市の計画対象校の候補とされるものの中から,優先項目(既存の継続使用可能な教室数,教室の充足度等)による順位づけを行った上で計画対象校を選定し,効率化をはかった。

2-3. 有効性

(1)計画対象地域において良好な学習環境を備えた教室の数が現在の51から266に増加し,1教室あたりの生徒数が過度にならない良好な環境で学習できる生徒数が2,550人から最大13,300人に増加する。

(2)1教室あたりの生徒数の減少により,教員の指導が適切に行われるようになり,教育の質の改善に寄与する。。

3. 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ニジェール政府策定「教育開発10カ年計画(PDDE)」

(2)JICA協力準備調査報告書

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