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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成25年5月20日
評価責任者:国別開発協力第三課長 貴島 善子

1. 案件名

1-1. 供与国名

モザンビーク共和国

1-2. 案件名

イレ-クアンバ間道路橋梁整備計画

1-3. 目的・事業内容

国道103号線上のザンベジア州ナンペボ/イレとナカラ回廊上のニアッサ州クアンバ間の13橋梁の新設・架け替えを行うもの。
供与限度額:38.05億円

1-4. 環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

以下の事項が、モザンビーク政府により実施される必要がある。

(1)本計画により整備された橋梁を適切かつ継続的に維持管理すること。
(2)活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2. 無償資金協力の必要性

2-1. 必要性

(1)モザンビーク政府は、2011年に「貧困削減行動計画(PARP、2011-2014年)」を採択し、「農水産業における生産性と生産量の向上」を開発目標の一つとしてあげている。その目標の達成のためには「市場へのアクセス改善」が不可欠で、道路インフラ整備が重要であるとしている。さらに、道路分野では、「道路セクター計画」を策定し、社会経済の活性化と地区開発のサポートのために道路ネットワーク整備が重要課題であるとしている。また、道路ネットワークの優先度は回廊開発にあるとし、本件の対象路線である、ザンベジア州及びニアッサ州の国道103号線は、モザンビーク政府としても、整備の優先度が高い路線に位置づけている。

(2)今回の協力の対象路線である国道103号線は、国道1号線と農業の潜在性の高いナカラ回廊西部を最短で結ぶ路線であり、ナカラ回廊の物流網の改善に資するものと見込まれている。しかしながら、対象地域における現在の橋梁は、幅員狭小や老朽化などにより、車両走行速度及び重量制限や雨期における交通遮断等の深刻な問題を抱えている。

(3)このように、ナカラ回廊西部は、雨量が豊富で肥沃な土地のため農業ポテンシャルが高いにも拘わらず、その農産品を輸送する上で重要な国道103号線上のザンベジア州ナンペボ/イレとナカラ回廊上のニアッサ州クアンバ間の道路・橋梁の整備が不十分であるために市場へのアクセスが難しく、農産物の出荷にも多大な影響を与えている。このような課題に対処するため、モザンビーク政府は、我が国に対し、無償資金協力による対象地域の13橋梁の新設・架け替えの支援を要請した。

2-2. 効率性

対象13橋梁に関して、自然条件・施工条件などによるグループ化、構造形式の標準化、仮設材や施工機材転用などを図ることで合理的な計画とし、コスト縮減に留意した。

2-3. 有効性

(1)ナンペボ~クアンバ間の移動時間が7時間から5時間程度に短縮され、交通量が大幅に増加する。また、現在、年間を通じて1-2ヶ月間の交通遮断期間があるのに対して、本事業実施後は通行遮断期間がなくなる。

(2)対象路線は、ナカラ回廊と国道1号線の2大主要路線と接続しており、道路ネットワークが強化されることで、対象地域の農作物をナカラ回廊を介してマラウイや欧米等に輸出することが可能になり、さらに、対象地域、モザンビーク全体、さらには、周辺内陸国の地域経済の活性化に貢献する。

(3)全線が2車線になり、通年の通行が可能になる結果、内陸部の食物調達の円滑化、周辺住民の医療サービスへのアクセス向上等、国民の基礎的生活条件の改善に繋がる。

3. 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)モザンビーク政府からの要請書

(2)JICA協力準備調査報告書

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