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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成26年1月24日
評価責任者:国別開発協力第三課長 貴島善子

1.案件名

1-1.供与国名

マラウイ共和国

1-2.案件名

第三次中等学校改善計画

1-3.目的・事業内容

本計画は,マラウイ国内のコミュニティ中等学校11校において施設及び機材を整備することにより,教育環境の改善を図るもの。供与額は17億5,600万円であり,一般教室,理科実験室,管理・図書室等及び教員住居(教員住居は農村部の6校のみ)の施設及び教育用家具,理科実験器具等の機材の整備を行うもの。

1-4.環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

以下の事項がマラウイ共和国政府により実施される必要がある。

(1)本計画により整備される教育施設の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。

(2)案件実施に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)マラウイ政府は,教育の普及をその開発重点分野とし,「国家教育セクター計画(2008-2017)」において,基礎教育の拡充を優先事項として掲げ,中等教育への就学機会の増大等を目指している。

(2)マラウイでは1994年に初等教育無償化が導入され,その結果,初等教育就学者数が189万人(1994年)から403万人(2011年)へと倍増したことに伴い,中等教育就学者数は5万人(2003年)から25.6万人(2011年)へと急増した。

(3)こうした就学者数の増加に伴う施設不足に対応するため,マラウイ政府は,地域社会が建設した成人教育施設をコミュニティ中学校に格上げするなど,中等教育に対するニーズの拡大に対応してきたが,依然として就学者数の増加に施設整備が追いつかず,深刻な問題となっている。

(4)また,多くの既存中等学校では,一般教室の不足に加え,理科実験室や図書室など中等学校として必要な施設が不足し,十分な教育環境が整備されていない。

(5)このような状況の下,マラウイ政府は,教育環境整備の遅れているコミュニティ中等学校の整備に必要な資金につき,我が国に無償資金協力を要請した。

2-2.効率性

(1)本計画を実施するに当たっては,中等教育レベルとしての学校運営・カリキュラム実施に最低限必要な施設及び機材の整備を行い,事業の効率的・効果的実施に努める。

(2)設計に当たっては,マラウイにおける他ドナー(世界銀行及びアフリカ開発銀行)による中等学校施設標準プランに準拠した計画を基本としながらも,利用実態等を踏まえ計画を見直すなどし,事業の効率化を図る。

2-3.有効性

本件の実施により,以下のような成果が期待される。

(1)2012/2013年の対象校生徒総数4,421人に対し,5,400人を収容する施設が整備される。

(2)対象校の新入生定員総数が1,350人となり,2012/2013年の定員より430人多くの生徒を毎年受け入れることが可能となる。

(3)中等教育カリキュラム実施に必要な施設・機材が整備され,1教室当たり平均生徒数が現状の85.0人から50.0人に減少して過密状況が緩和され,教育の環境及び質が改善する。

(4)教員住居が整備されることにより,有資格教員の採用と配置,定着する環境が改善され,教育の質が向上する。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)マラウイ共和国政府からの要請書

(2)JICAの概略設計調査報告書

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