広報・資料 報告書・資料

政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成25年4月17日
評価責任者:国別開発協力第三課長 貴島 善子

1.案件名

(1)供与国名

ギニア共和国

(2)案件名

国道一号線橋梁改修計画

(3)目的・事業内容

本計画は,ギニアの主要幹線道路である国道一号線において,老朽化による落橋の危険性があり,十分な幅員が確保されていないカアカ橋を架け替えることにより,幹線道路網における安全で円滑な交通の確保を図るものである。供与限度額は12.54億円であり,カアカ橋の橋梁架け替え及び取付道路の建設を行う。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

以下の事項がギニア共和国政府により実施される必要がある。

本計画により建設された橋梁の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。

2.無償資金協力の必要性

(1)必要性

ア ギニア共和国の道路総延長は43,000kmであり,そのうち国道は7,625kmとなっている。独立後,十分な道路整備が行われなかったため,都市部・郊外における交通渋滞等の問題を抱えている。また,本件対象の橋梁が位置する国道一号線は,首都コナクリから内陸部主要都市や近隣国へ繋がる唯一の幹線道路であり,現在の平均交通量は3,290台/日であり,ギニア東南部のシマンドゥの鉄鉱石鉱山の開発も進められていることから,近年は年10%以上の割合で増加している。

イ こうした状況を背景に,同国政府は2002年6月に「国家運輸計画」を策定し,右計画では,道路維持管理能力の向上とともに,充実した道路インフラの整備,機能的かつ安価で安全な輸送サービスの整備が重点事項として挙げられ,同国の道路ネットワークを構成する主要幹線道路を戦略的に整備していくことを掲げている。また,2012年に策定された「社会経済開発5か年計画」においては,地方都市へのアクセスの改善が目標に掲げられている。

ウ 本計画の支援対象であるカアカ橋は建設後62年経過しているが,近年増加している大型車両の通行を考慮しない設計となっていることに加え,老朽化も進んでいるため,このまま放置すれば落橋の危険もある。また,橋長が比較的長いにもかかわらず,十分な幅員がないために両側通行ができず,交通のボトルネックとなっている。そのため,ギニア政府はカアカ橋の架け替え及び取付道路の建設について計画し,その実施に必要な資金につき,我が国政府に無償資金協力を要請してきたものである。

(2)効率性

ア 建設資機材及び労務調達は,基本的に現地調達とした。現地調達できない場合には,所要の品質供給能力が確保される範囲で最も経済的となる第三国,または日本からの調達とした。

イ 可能な限り特殊機材や技術を必要としない一般的な工法とすることにより,コスト増大要因を抑制した。

(3)有効性

本件の実施により,以下のような成果が期待される。

ア カアカ橋の架け替えにより,橋梁通過時の走行速度が現状の時速15kmから60kmに増加し,通過時間が108秒(渋滞時)から13秒に短縮される。

イ ギニア国内における物流の強化・安定化により,社会・経済の活性化,雇用創出,貧困削減に貢献する。

ウ 周辺国との国際物流機能の向上により,同国経済の活性化に貢献する。

エ 歩行者及び車両の安全性が向上し,周辺住民の生活環境が改善される。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ギニア共和国政府からの要請書

(2)JICAの協力準備調査(事業化調査)報告書

このページのトップへ戻る
目次へ戻る