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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成25年4月30日
評価責任者:国別開発協力第三課長 貴島 善子

1. 案件名

(1)供与国名

エチオピア連邦民主共和国

(2)案件名

第四次幹線道路改修計画

(3)目的・事業内容

本計画は,国道三号線の整備を行い,エチオピア経済の発展及び食料安全保障の基盤を確保するものである。国道三号線は,首都アディスアベバから,エチオピアの食料の約40%を生産するアムハラ州を縦断し,隣国のスーダンに至る最も重要な幹線道路の一つである。供与限度額は,75億2,100万円であり,国道三号線の未舗装区間(第4次区間である、デジェンからデブレマルコスまで65.5km)の内,ルマメ郊外から36.5kmの舗装及び橋梁整備を行う。

(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

以下の事項がエチオピア連邦民主共和国政府により実施される必要がある。

ア 本計画開始前に,建設予定地における住民移転,用地取得,工事の支障となる既設電柱・電線の移設,仮設ヤードの整地を行うこと。
イ 関連活動に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。
ウ 本計画により建設された施設の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。

2. 無償資金協力の必要性

(1)必要性

ア 内陸国であるエチオピアでは,輸送の大部分が道路を通じて行われている。また,エチオピア政府は,農業を経済開発の基盤とし,地方の農業地域と中央の市場を連結する道路網整備を経済活性化の重点課題としており,道路整備の総合計画である「エチオピア道路開発計画」(1997~2015)でも,大規模な投資を行うとしている。

イ 国道三号線(全長988km)は,首都アディスアベバから,エチオピアの食料の約40%を生産するアムハラ州を縦断し,隣国のスーダンに至る,同国において最も重要な幹線道路の一つである。また,スーダンからの原油輸入の約80%が国道三号線を通じて輸送されている。

ウ 国道三号線の改修は,これまで我が国及び世銀の協力並びにエチオピアの独自資金により改修を行ってきており,未改修区間は本計画の対象となるデジェンからデブレマルコス(65.5km)のみである。我が国はこれまで同道路のアディスアベバからデジェンまで約220kmの整備事業に対し無償資金協力を実施している。

エ エチオピア側は本道路整備を両国間協力の最重要事業と位置づけており,上記道路計画が終了する2015年7月までに国道三号線の改修を完了させたいとしており,本計画の早期実施を希望しているが,同国の厳しい財政状況,また黒灰土土壌への対処等技術的に困難な工事も多いことから,我が国に対し無償資金協力を要請したものである。

(2)効率性

本計画では,先方政府の要請及び協力準備調査に基づき,現地のニーズに合った計画対象ルート,施設構造とした。また,本件と併せて,技術協力プロジェクト等の技術協力を実施することで,総合的な道路維持管理体制を強化し,案件の効率的な実施を図る。

(3)有効性

本件の実施により,以下のような成果が期待される。

ア 国道三号線は,スーダンから石油を輸入する際の輸送路であり,沿線沿いは国内有数の穀倉地帯である。本件計画対象を以て国道三号線全体の舗装が完了することにより,エチオピア経済の発展及び食料安全保障の基盤が確保される。

イ 改修により,雨期の冠水による交通遮断(年10回程度)が解消され,年間を通じて安全な交通が確保される。

ウ 軟弱な黒灰土土壌対策が講じられる結果,道路の維持・補修にかかる経費が節減される。

3. 事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)エチオピア連邦民主共和国政府からの要請書

(2)JICAの協力準備調査報告書(JICAを通じて入手可能)

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