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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成24年9月7日
評価責任者:国別開発協力第二課長 徳田修一

1 案件概要

(1)供与国名
 インド

(2)案件名
 デリー上水道整備計画

(3)目的・事業内容

 インド北部のデリー準州において,既存の上水道施設の改修・更新などを行うもの。

ア 主要事業内容

  • 上水道施設の改修・更新
  • 上水道施設データに係る地理情報システム(GIS)の改善
  • コンサルティング・サービス

イ 供与条件

供与限度額 金利 償還(うち据置)期間 調達条件
289.75億円 1.40% 30(10)年 一般アンタイド
 (注)コンサルタント部分は金利0.01%を適用。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

ア EIA(環境影響評価)
 影響を及ぼしやすいセクター・特性及び影響を受けやすい地域に該当せず,環境への望ましくない影響は重大でないと判断される。EIA報告書はインド国内法上作成が義務付けられていない。

イ 用地取得
 用地取得及び住民移転は伴わない。

ウ 外部要因リスク:特になし。

2 資金協力案件の評価

(1)必要性

ア 開発ニーズ
 約1,675万人の人口を有するデリー準州は,上水道施設の老朽化などによる高い漏水率等により,1日平均6時間という制限給水を余儀なくされている。また,浄水場の施設容量に基づいて系統区が設定されていないため,系統区毎の一人当たり給水量が不均等となっている。人口増加や経済発展に伴う上水使用量の増加を勘案すると,上水供給の逼迫が今後より深刻化することが見込まれており,本計画のニーズは大きい。

イ 我が国の基本政策との関係
 2006年6月に策定された「国別援助計画」においては,今後の対インドODAの重点目標として,(a)経済成長の促進(「経済成長を通じた貧困削減」を追求するためのインフラの整備等),(b)貧困・環境問題の改善,及び(c)人材育成・交流拡大(強固な二国間関係の構築を念頭)を掲げている。本計画は,経済成長に伴う上水使用量の増加に対応するという観点から上記(a)に,地域住民の生活環境の改善という観点から上記(b)に資するものであり,我が国の基本政策とも合致する。

(2)効率性
 上水道施設の効率的な運営・維持管理を図るために,本計画の実施機関に対し,対象の上水道施設のみならず,実施機関の管轄区域であるデリー準州全域において,GISによる上水道施設データ管理,GIS・SCADA(監視制御システム)等のデータを活用した上水道施設の運営・維持管理体制の強化に係る支援を本計画のコンサルタントや技術支援を通じ実施予定である。

(3)有効性
 本計画の実施により,24時間連続的かつ安定的な給水サービスの提供を図り,もって地域住民の生活環境の改善に寄与することが期待される(平均給水時間:6(時間/日)(2011年)→24(時間/日)(完成2年後(2023年)見込み))。また,インドの経済・社会の発展を通じた我が国との二国間関係の強化が期待される。

3 事前評価に用いた資料,有識者等の知見の活用

 要請書,国際協力機構環境社会配慮ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/index.html他のサイトへ),その他国際協力機構より提出された資料,インド国別評価(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shiryo/hyouka/kunibetu/indo.html)。
 案件に関する情報は,交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index/anken/zyoukyou.html),借款契約締結後公表される国際協力機構のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/index.html他のサイトへ)及び事業事前評価表(http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html他のサイトへ)を参照。
 なお,本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力機構が行う予定。

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