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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成24年5月15日
評価責任者:国別開発協力第三課長 堤 尚広

1.案件名

1-1.供与国名

 ブルキナファソ

1-2.案件名

 「第五次小学校建設計画」

1-3.目的・事業内容

 本計画は,小学校63校において,校舎及びトイレ等の附帯施設の整備及び机・椅子等の学習用家具の供与を行うことを通じ,ブルキナファソにおける初等教育環境の改善を図るもの。供与額は,11.38億円。

1-4.環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

(1)本案件は,小学校校舎の建設を主たる内容としており,特段の環境社会影響は想定されないところ,JICA環境社会配慮ガイドラインにおいてもカテゴリーC(環境社会への影響が最小限)に分類される。

(2)以下の事項が,ブルキナファソ政府により実施される必要がある。

ア 本計画により建設される小学校校舎等の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。

イ 教師など学校運営に必要な人的手当及び予算措置を行うこと。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)ブルキナファソは,「成長加速と持続発展のための戦略(2011~2015)」において,教育・保健・水供給など基本的社会サービスの普及を主要戦略として位置付けている。

(2)国民教育識字省(以下「教育省」という。)は,同戦略を上位計画とした教育セクター開発計画である「基礎教育開発10ヵ年計画(Plan Décennal de Développement de l'Education de Base 2000~2010)」を策定し,基礎教育の拡充を図った。同計画の成果を踏まえ,教育省は新たに「基礎教育戦略的開発計画(Programme Décennal de Développement Stratégique de l'Education de Base 2011~2020)」を策定することとし,現在はその最終段階にある。

(3)基礎教育戦略的開発計画では,現在6割にとどまっている初等教育純就学率(本来の初等教育就学年齢である6~11歳人口のみを対象とした就学者数の割合)を,2015年までに75%,2020年までに100%に改善することを目標としている。ブルキナファソでは,児童数が毎年約1割増加する傾向が続いており,慢性的な教室不足が生じている。教室建設により学習環境の改善を目指す本計画は,基礎教育戦略的開発計画の目標達成に資するものとして位置付けられる。

(4)なお,我が国の対ブルキナファソ援助方針は,教育分野を含む基礎生活分野を重点分野としており,本案件と整合している。さらに,我が国は,同国の基礎教育分野において,学校運営委員会支援プロジェクトや初等教育・理数科現職教員研修改善プロジェクトを実施し,ハード・ソフト両面からの支援を通じた開発効果の最大化に取り組んでいる。また,我が国は,TICAD IVにおいて,小中学校1,000校(約5,500教室)の建設を表明しており,本件は同公約の達成にも資するものである。

2-2.効率性

(1)施設の設計にあたっては,ブルキナファソが定める標準設計を基本とし,耐久性やコスト等の観点から必要最小限の変更を加え,適切な設計・仕様を決定した。

2-3.有効性

(1)対象となる63校において,使用可能な教室数が288教室増加する。

(2)対象校における使用可能な教室に通学できる児童数が4,300人(2010/11年度)から18,700人(2017/18年度)に増加する。

(3)学習環境の改善により,就学率の向上,留年率・中途退学率の低減に資する。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ブルキナファソ政府からの要請書

(2)JICA事業化調査報告書

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