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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成23年4月13日
評価責任者:国別開発協力第三課長 石塚英樹

1.案件名

1-1.供与国名

 ザンビア共和国

1-2.案件名

 ンドラ市上水道改善計画

1-3.目的・事業内容

 本計画は,ザンビアの鉱工業の中心都市であるンドラ市において,安全な水の普及率を高め,衛生状態を改善させるために,同市の上水施設を改修し,低所得者の多い地区に公共水栓を建設するものであり,供与限度額は21億1,600万円である。

1-4.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

  案件実施後の持続発展性を目指し,施設の運営維持管理,衛生教育に係る能力強化活動を行う他,技術協力の実施を検討する。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)ザンビアにおける住民への安全な水の普及率は,都市部で人口の87%,農村で人口の46%,また 都市周辺の居住区では44%であり,サハラ砂漠以南のアフリカ諸国の中でも低い水準にある。

(2)ザンビア政府は安全な水の普及率の向上を目標に給水分野の改革を進めており,各都市の給水衛生改善計画において,既存施設の改修を中心とした上水道の普及に取り組んでいる。

(3)ンドラ市は,ザンビアの鉱工業地帯の中心都市であるが,上水道施設は,1964年の独立以前に建設され,老朽化が激しく,故障や漏水が頻発している。特に同市の南部地域は低所得者の多い,いわゆる未計画居住区で,安全な水の普及率が低く,雨期にコレラ等の水因性疾患の流行も発生している。加えて,人口増加率も高いことから,今後水需要の増加も予測されている。

(4)上記現状に鑑み,ザンビア政府は,給水政策の改正や水資源管理法の制定を進め,関連施設の改善にも努めているが,未計画居住区における安全な水の普及は早急な対応が必要である。他方,同国の厳しい財政事情から,自助努力のみでは状況の改善が困難であり,ンドラ市の主要地区及び,未計画居住区における住民の給水と衛生環境を改善することを目的に,我が国に無償資金協力を要請したものである。

2-2.効率性

(1)低所得者居住地域における公共水栓の建設に当たっては,裨益人口,水栓までの距離を考慮の上,適切な数及び位置を選定した。

(2)整備対象施設の内容・仕様については,先方の維持管理体制等を十分に考慮の上,最適な規模・内容とした。

2-3.有効性

  本件の実施により,以下のような成果が期待される。

(1)都市周辺のいわゆる未計画居住区で新たに約2万3,000人(2万2,000人から4万5,000人)に安全で安定した水の供給が可能になる。

(2)ンドラ市内における配水対象地区の35万4千人への給水時間が1日当たり12時間未満から18時間に増加する。

(3)安全な水が供給されることにより衛生状態が改善され,コレラ等の水因性疾患が減少する。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)ザンビア政府からの要請書

(2)JICAの概略設計調査報告書

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