評価年月日 平成24年2月14日
評価責任者:国別開発協力第二課長 徳田修一
(1)供与国名
スリランカ民主社会主義共和国
(2)案件名
バンダラナイケ国際空港改善計画(フェーズ2)
(3)目的・事業内容
コロンボ郊外に位置するバンダラナイケ国際空港(通称コロンボ国際空港)において,旅客ターミナルビル及び駐機場の増設,ターミナルへの高架アクセス道路の整備,焼却炉その他附帯設備の整備を行うもの。
ア 主要事業内容
1)土木工事(旅客ターミナルビル,駐機場,高架アクセス道路等)
2)コンサルティング・サービス
イ 供与条件
供与限度額 | 金利 | 償還(うち据置)期間 | 調達条件 |
---|---|---|---|
289.69億円 | 0.20% | 40(10)年 | 日本タイド |
(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点
ア EIA(環境影響評価)
本計画に係る環境影響評価(EIA)は同国国内法上義務づけられていない。
イ 用地取得
実施機関の所有地内で実施されるため,用地取得及び住民移転は伴わない。
ウ 外部要因リスク:特になし。
(1)必要性
ア 開発ニーズ
島国であるスリランカにとって,空路と海路が国際旅客輸送の手段である。現在唯一の国際空港であるバンダラナイケ国際空港は,世界主要31 都市に就航し(2011 年現在),空路での物流,旅客輸送の拠点となっている。2009 年の国内紛争終結後,経済成長を背景として増加している国際旅客数は2011年に現行の旅客ターミナルの取扱可能容量(600 万人/年)を超過し,年間610万人に到達しており,早急な旅客ターミナルの拡張が必要となっている。
イ 我が国の基本政策との関係
これまで我が国は,1982年度円借款「コロンボ国際空港整備計画」,1997 年度開発調査「コロンボ空港改善事業連携実施設計調査」,1999年度「コロンボ国際空港改善計画」による同空港整備を支援してきている。また,2004年に策定された「対スリランカ国別援助計画」(2004 年4 月)は,援助重点分野の一つとして「経済基盤整備」を掲げており,本計画は右援助重点分野にも合致する。
(2)効率性
本計画は取扱可能容量を超過した国際旅客ターミナルビルの拡張及び附帯設備等を整備するものであり,滑走路については許容量を超過していないことから対象外としている。また,同空港のマスタープランを1997年度の開発調査により実施しており,本計画は右マスタープランを踏まえたものとなっている。
(3)有効性
2011年には,同空港を利用した国際旅客数が年間610万人に到達しており,現行の国際旅客の取扱可能容量である600万人/年を超過した。本計画の実施により,2017年には,国際旅客の取扱可能容量が約900万人/年となる見込みであり,増加する航空輸送需要に対応するとともに同空港の利便性,安全性向上を図り,もってスリランカの経済発展に寄与することが期待される。
要請書,これまでの国際協力機構環境社会配慮ガイドライン,その他国際協力機構より提出された資料。
案件に関する情報は,交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要,借款契約締結後公表される国際協力機構のプレスリリース及び事業事前評価表を参照。
なお,本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力機構が行う予定。