広報・資料 報告書・資料

政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成23年3月7日

評価責任者:国別開発協力第二課長 小野日子

1.案件概要

(1)供与国名
 インド

(2)案件名
 ラジャスタン州植林・生物多様性保全計画(フェーズ2)

(3)目的・事業内容

 インド北西部ラジャスタン州において,植林活動及び生物多様性保全活動を実施するもの。

(ア)主要事業内容

 1)植林活動
 2)生物多様性保全活動
 3)コンサルティング・サービス

(イ)供与条件

供与限度額 金利 償還(うち据置)期間 調達条件
157.49億円 0.65% 40(10)年 一般アンタイド
 (注)金利は,優先条件(基準)「地球環境・公害対策(森林保全・造成/自然環境保全)」を適用。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

(ア)EIA(環境影響評価)
 融資承諾前にサブプロジェクトが特定できないが,環境への重大で望ましくない影響のある可能性を持つようなサブプロジェクトは想定されていない。

(イ)用地取得
 用地取得及び住民移転は伴わない。

(ウ)外部要因リスク:特になし。

2.資金協力案件の評価

(1)必要性

(ア)開発ニーズ
 インド北西部のラジャスタン州は,国内最大の面積を有するが,その3分の2を砂漠が占め,また,放牧や人口増加による森林資源の過剰消費等もあって,同州の森林被覆率は7.1%(2006年)とインド全体の森林被覆率23.8%(2007年)に比べて著しく低い(世界平均31%(2010年))。また,同州は,絶滅危惧種を含む多くの砂漠地域固有の動植物の生息域を有する州である一方で,野生生物と人間の接触被害等の問題も数多く生じている。このような現況から本計画のニーズは大きい。

(イ)我が国の基本政策との関係
 2006年6月に策定された「国別援助計画」においては,今後の対インドODAの重点目標として,(a)経済成長の促進(「経済成長を通じた貧困削減」を追求するためのインフラの整備等),(b)貧困・環境問題の改善及び(c)人材育成・交流拡大(強固な二国間関係の構築を念頭)を掲げている。本計画は,森林・生物多様性保全セクターへの支援という観点から,同国の貧困・環境問題の改善に資する案件として上記(b)に資するものであり,我が国の基本政策とも合致する。

(2)効率性
 活動内容の選定及び運営基準,責任体制等を包括的かつ平易な言葉で示したガイドラインを作成するとともに,実施機関職員及び活動に参加する地域住民に対する運営・維持管理に係る研修を実施することにより,効率的な運営及び維持管理を図ることとしている。

(3)有効性
 本計画の実施により,ラジャスタン州における植林地の増大,生物多様性の保全及び地域住民の生計改善を図り,もって同地域の環境保全及び均衡の取れた社会経済発展に寄与することが期待される(完成2年後(2021年)見込み:植林面積83,650ヘクタール増加,事業が実施される自然保護区の数7)。また,インドの経済・社会の発展を通じた我が国との二国間関係の強化が期待される。

3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用

 要請書,これまでの国際協力銀行環境社会配慮ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html 他のサイトヘ),その他国際協力機構より提出された資料。
 案件に関する情報は,交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou.html),借款契約締結後公表される国際協力機構のプレスリリース (http://www.jica.go.jp/press/index.html 他のサイトヘ)及び事業事前評価表 (http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html 他のサイトヘ)を参照。
 なお,本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力機構が行う予定。

このページのトップへ戻る
目次へ戻る