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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成23年3月7日

評価責任者:国別開発協力第二課長 小野日子

1.案件概要

(1)供与国名
 インド

(2)案件名
 アンドラ・プラデシュ州農村部高圧配電網整備計画

(3)目的・事業内容

 インド南部アンドラ・プラデシュ州農村部において,低圧配電線から高圧配電線への張替えを主とする高圧配電網整備を行うもの。

(ア)主要事業内容

 1)土木工事
 2)電気・通信関連工事
 3)コンサルティング・サービス

(イ)供与条件

供与限度額 金利 償還(うち据置)期間 調達条件
185.90億円 0.65% 40(10)年 一般アンタイド
 (注)金利は,優先条件(基準)「地球環境・公害対策(省エネ,省資源)」を適用。
コンサルタント部分は金利0.01%を適用。

(4)環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

(ア)EIA(環境影響評価)
 影響を及ぼしやすいセクター・特性及び影響を受けやすい地域に該当せず,環境への望ましくない影響は最小限であると判断される。

(イ)用地取得
 用地取得及び住民移転は伴わない。

(ウ)外部要因リスク:特になし。

2.資金協力案件の評価

(1)必要性

(ア)開発ニーズ
 国内有数の農業州であるインド南部のアンドラ・プラデシュ州においては,灌漑ポンプの電化が進展したことにより農村部の電力需要の増加が顕著であり,電力の総供給量の約3分の1を農業用が占めている。急増する電力需給ギャップに対応し,安定的な電力供給を図るためには,効率的な配電体制を構築する必要があり,本計画のニーズは大きい。

(イ)我が国の基本政策との関係
 2006年6月に策定された「国別援助計画」においては,今後の対インドODAの重点目標として,(a)経済成長の促進(「経済成長を通じた貧困削減」を追求するためのインフラの整備等),(b)貧困・環境問題の改善及び(c)人材育成・交流拡大(強固な二国間関係の構築を念頭)を掲げている。本計画は,農業用電力の効率的な供給の促進という観点から,同国のインフラ整備に資する案件として上記(a)に資するものであり,我が国の基本政策とも合致する。また,効率的な配電を通じた環境改善にも資しており,上記(b)に合致する側面も有している。

(2)効率性
 効率的な実施及び運営維持管理のために,実施機関である3つの配電公社による事業実施を一元的に監理する組織を設置して,配電公社間の進捗の調整を図るとともに,事業実施のフローの簡素化及び各手続きの共通化を図ることとしている。

(3)有効性
 本計画の実施により,アンドラ・プラデシュ州農村部における農業用電力の配電ロス率の低下及び電力の効率的・安定的供給の達成を図り,もって地域の経済発展及び農村部の生計向上に寄与することが期待される(完成2年後(2018年)見込み:配電ロス率を中央部13.5%(2010年)→11.0%,北部・南部13.0%(2010年)→10.5%に低減)。また,インドの経済・社会の発展を通じた我が国との二国間関係の強化が期待される。

3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用

 要請書,これまでの国際協力銀行環境社会配慮ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html 他のサイトヘ),その他国際協力機構より提出された資料。
 案件に関する情報は,交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou.html),借款契約締結後公表される国際協力機構のプレスリリース (http://www.jica.go.jp/press/index.html 他のサイトヘ)及び事業事前評価表 (http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html 他のサイトヘ)を参照。
 なお,本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力機構が行う予定。

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