広報・資料 報告書・資料

政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成23年7月1日
評価責任者:国別開発協力第二課長 小野 日子

1.案件名

1-1.供与国名

 スリランカ民主社会主義共和国

1-2.案件名

 マンムナイ橋梁建設計画

1-3.本プロジェクトの目的

 国内紛争の影響を強く受けた地域であるバティカロア県において,バティカロア潟湖(ラグーン)東西をつなぐ橋梁をマンムナイに新設し,ラグーン両岸間に一層安全で円滑な交通を確保し,人的・物的交流の促進を図るもの。
 供与限度額は12.06億円。

1-4.環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 以下の事項がスリランカ側により実施される必要がある。

(1)本計画により整備された施設の維持管理を適切かつ継続的に実施すること。

(2)維持管理等に必要な予算措置を行うこと。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)スリランカ政府が定める10カ年開発計画「マヒンダ・チンタナ」(2006~2016)においては,道路開発の主力事業の一つとして,国内紛争の影響を受けた北・東部の道路網整備および2004年の津波被害を受けた地域の道路改修等を掲げている。

(2)本件計画が対象とするスリランカ東部は,バティカロア潟湖(ラグーン)により東西を分断されており,積載量に大きな制限のあるフェリーや同ラグーン北・南部にのみ架かる橋梁により両岸の交通が行われているが,緊急医療,教育機関への交通に支障がある他,農作物等の出荷の支障にもなっている。また,当該地域を年に数回襲う洪水被害の際には,ラグーン東西岸間のフェリー交通が最大数週間遮断され,緊急移送や物流の大きな制約となっている。

(3)このような状況から,頻発する洪水被害の影響を軽減し,また長年の国内紛争や2004年の津波被害を受けた東部の復興を図るために,バティカロア・ラグーンに橋梁を建設し両岸間の交通を円滑化する事業の実施意義は高い。

2-2.効率性

(1)スリランカ政府は,道路関連政策として「国家道路基本計画」を2007年に策定し道路網の整備を推進していることに加え,本計画対象周辺地域では,他国等の支援による道路改良事業も進行しており,橋梁建設と周辺道路の改良が同時に進展することにより,当該地域の物資輸送能力の回復に向けた相乗効果が期待できる。

(2)本件架橋地点の選定にあたっては,架橋候補地点のうち橋梁規模が最小となり事業費を削減できる地点を選定する等,コスト縮減に努めた。

2-3.有効性

(1)橋梁の建設により,陸路を利用した場合のラグーン東西間の移動距離が最大約32キロメートルから約300メートルに短縮され,24時間通行が可能となる。それにより,バティカロア市中心部の緊急医療機関,教育機関への交通が容易になる。

(2)現在フェリーに依存している輸送が陸路により可能となり,両岸間の輸送量が増強される。また,農産物等の安定輸送が可能となり,本計画対象周辺地域の農業等の地域産業が活性化する。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

(1)スリランカ政府からの要請書

(2)JICAの基本設計調査報告書(JICAホームページより入手可能)

このページのトップへ戻る
目次へ戻る