1．案件名

（1）供与国名

　アフガニスタン・イスラム共和国

（2）案件名

　「バーミヤン空港改修計画」

（3）目的・事業内容

　バーミヤン空港は，アフガニスタンにおける7つの地方空港の一つであり，国内の交通網整備における優先事項の一つとされているが整備が遅れている。バーミヤン空港の滑走路の舗装，航空機駐機場の整備，旅客ターミナルビル等の建設，場周フェンス及び進入角指示灯等の整備を行い，中型プロペラ機による定期便就航に必要な環境整備を行うことにより，航空機運航の安全性及び効率性の向上を図るとともに，バーミヤン県の交通の利便性の向上を図る。供与額は12億6,000万円。

（4）環境社会配慮，外部要因リスクなど留意すべき点

（ア）円滑な事業実施のため，今後バーミヤン市の治安状況が著しく悪化しないこと。

（イ）案件実施に際し，アフガニスタン側負担事項が実施され，案件完了後もアフガニスタン側で適切な維持管理がなされること。

2．無償資金協力の必要性

（1）必要性

（ア）バーミヤン空港は，アフガニスタンにおける7つの地方空港の一つに位置付けられており，これら空港を国内交通網として整備することは，「アフガニスタン国家開発戦略（ANDS）」及び国家優先プログラム（NPP）である「国家・地域間資源回廊イニシアティブ」の優先事項の一つである。また，文化的景観と世界遺産を含む古代遺跡群を有するバーミヤンは，アフガニスタンにおける観光開発の拠点としての役割が期待されている。

（イ）バーミヤン空港は，滑走路が未舗装であることに加え，旅客ターミナルビルや航空灯火や消防施設等を備えておらず，航空機の安全で効率的な運航に必要な環境が整っていないため，小型プロペラ機（定員5～15名）とヘリコプター等が不定期に運航されているのみである。

（ウ）このため，バーミヤン空港の滑走路の舗装，航空機駐機場の整備，旅客ターミナルビル及び消防車庫等の建設，場周フェンス及び進入角指示灯等の整備を行い，中型プロペラ機の定期便就航に必要な環境を整備することにより，バーミヤン空港における航空機の安全で効率的な運航を確保するとともに，バーミヤン県の利便性向上を図るために我が国に無償資金協力を要請してきたものである。

（2）効率性

　JICAの協力準備調査及びアフガニスタン側との協議を通じ，定期便就航と航空機の安全で効率的な運航の確保という目的から必要性・緊急性の高い内容に限定するとともに，アフガニスタン側の運営・維持管理体制等に適した供与内容とした。

（3）有効性

　本計画の実施により，以下のような効果が期待される。

（ア）カブール・バーミヤン間の定期航空便（年間発着数約200回，約6,000人が利用可能となる見込み）の就航により，同区間の移動が現在の8時間（陸路）から30分（空路）に短縮することが可能となり，カブールとの往来の利便性及び安全性が向上する。

（イ）バーミヤン市住民（約8万人）の国内移動が容易になることに加え，バーミヤンへの観光客の増加が見込まれることから，地域経済の改善が期待される。

（ウ）場周フェンス等必要な施設が整備されることにより，人や車両による滑走路の横断等により航空機の運航が妨げられる可能性が減少し，航空機運航上の安全性及び効率性が向上する。

3．事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

（1）JICAの概略設計概要書