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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成23年10月13日
評価責任者:アフガニスタン支援室長 有馬 裕

1.案件名

1-1.供与国名

 アフガニスタン・イスラム共和国

1-2.案件名

 「カブール県及びバーミヤン県灌漑施設整備計画」

1-3.本プロジェクトの目的

 カブール県,バーミヤン県の河川流域における灌漑関連施設(止水・貯水ダム,調整池,取水施設,灌漑水路等)の整備。水・エネルギー省職員の能力向上支援,裨益対象コミュニティに対する水資源管理に関する技術指導及び生計能力向上支援。供与額は13.1億円。

1-4.環境社会配慮,外部要因リスクなど留意すべき点

 円滑な事業実施のため,今後カブール県及びバーミヤン県における治安状況が著しく悪化しないこと。

2.無償資金協力の必要性

2-1.必要性

(1)アフガニスタンでは,内戦及び数年おきに発生した深刻な干ばつの影響により,主要産業である農業を含む国内の基幹インフラの殆どが破壊された。食糧需要の一部を外国からの援助に依存しており,また,多くの国民は栄養不足状態にある。他方,同国の農業生産拡大を図るためには,現在十分活用できていない同国の水資源の適切な管理と開発を通じた農作地の灌漑整備が不可欠である。

(2)アフガニスタン政府は主要農業政策において灌漑整備を重点課題としている。また,2010年7月のカブール国際会議において農業・農村開発分野の優先計画として採択された「水資源・灌漑開発プログラム」では,農業生産・生産性を5年間で20%高めること,2013年までに10万ヘクタールの灌漑整備等を目標に掲げ,国際社会からの支援を要請している。

(3)アフガニスタン政府は,FAOと協力し,重点課題である農業生産拡大及び生産性向上に資することを目的として,我が国の農業支援の重点地域でもあるカブール県及びバーミヤン県における灌漑施設整備を実施するための無償資金協力を要請したものである。

(4)本案件は,平成22年度案件「カブール県及びバーミヤン県における灌漑・小規模水力発電施設整備計画」の実施の際にカブール県及びバーミヤン県において行われた現地調査の結果をもとに,後継案件として地域を補完する形で周辺地域において灌漑整備を行うものである。

2-2.効率性

 FAOによる要請書を精査の上,現地関係者の能力向上支援の一体的な実施等により,アフガニスタン側が運営・維持管理可能な供与内容とした。

2-3.有効性

 本計画の実施により,以下のような成果が期待される。
(1)カブール県及びバーミヤン県の河川流域周辺の農地(約18,500ヘクタール)が灌漑整備されることにより,約7500世帯の農家の生産性の向上が見込まれる。

(2)水・エネルギー省職員及び地元コミュニティの水資源活用能力の強化,及び裨益農家の生計能力向上支援により,コミュニティ全体の底上げが期待される。

3.事前評価に用いた資料及び有識者等の知見の活用等

 FAOによる要請書及び平成22年度「カブール県及びバーミヤン県における灌漑・小規模水力発電施設整備計画」進捗報告書

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