評価年月日 平成21年3月11日
評価責任者 有償資金協力課長 宮原隆
(1)供与国名
タイ王国
(2)案件名
バンコク大量輸送網整備計画(レッドライン)(I)
(3)目的・事業内容
本計画は、バンコクにおける交通渋滞の緩和及び大気汚染の改善を通じて地域経済の発展及び都市環境の改善に資するため、大量輸送システムの一環としてレッドラインを整備するもの。
供与限度額 | 金利 | 償還(据置)期間 | 調達条件 |
---|---|---|---|
630.18億円 | 1.4% | 25(7)年 | 一般アンタイド |
(注)コンサルタント部分は金利0.01%を適用。
(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点
(イ)EIA(環境影響評価):EIA報告書は2008年6月に国家環境委員会の承認済み。
(ロ)用地取得及び住民移転:用地取得は見込まれていないが、非合法の建物が1,236戸あるため、移転が必要。今後、タイ政府が移転計画を策定して手続きを進める予定。
(ハ)外部要因リスク:特になし。
(1)必要性
(イ)開発ニーズ
バンコク首都圏は自動車に依存する交通システムのため、交通渋滞が人及び物流の障害となっている。また、車両の排ガスが引き起こす大気汚染が問題となっており、環境負荷の軽減への取組が必要となっている。タイ政府はこれらの課題に対処するため、バンコク首都圏に7路線を整備する「大量輸送システム投資計画(2005~2012)」を策定しており、このような状況を踏まえると、本件のニーズは大きい。
(ロ)我が国の基本政策との関係
我が国は2006年5月に対タイ経済協力計画を改定し、スキーム別に重点分野を設定している。円借款については、タイの経済・財政状況を踏まえつつ、タイには存在しない高度な技術や我が国の経験・知見を要するものかという点も十分検討した上で、必要な支援を行うこととしている。本計画は、タイの渋滞緩和と環境改善に必要なものであることから、我が国の基本政策とも合致する。
(2)効率性
本計画の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。
(3)有効性
本計画の実施により、渋滞及び大気汚染の緩和が促進され、地域経済の発展及び都市環境の改善が期待される。また、タイの経済・社会発展を通じた我が国との二国間関係の強化が期待される。
要請書、これまでの国際協力銀行環境社会配慮ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html )、その他国際協力機構より提出された資料。
案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index/anken/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力機構のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/index.html )及び事業事前評価表(http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html
)を参照。
なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力機構が行う予定。