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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成20年9月18日
評価責任者 有償資金協力課長 宮原隆

1.案件概要

(1)供与国名
 フィリピン共和国

(2)案件名
 環境開発計画

(3)目的・事業内容
 本計画は、フィリピン開発銀行を通じて地方自治体、民間企業、政府出資企業、協同組合等に対し、環境分野における設備投資のための中長期資金を融資し、環境汚染物質の排出を抑制することにより、環境保全及び生活環境の改善を図るもの。

供与限度額 サブプロジェクトの対象セクター 金利 償還(据置)期間 調達条件
248.46億円 貧困削減に資する上水道、新・再生可能エネルギーなど 0.65% 40(10)年 一般アンタイド
上記以外の上水道部分 1.4% 30(10)年 一般アンタイド
コンサルティング・サービス 0.01% 40(10)年 一般アンタイド

(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

(イ)EIA(環境影響評価):サブプロジェクトが環境への影響を持つことが想定されるため、フィリピン開発銀行がJBIC環境ガイドライン等に従い、サブプロジェクト選定時に環境社会配慮確認を行うことになっている。

(ロ)用地取得及び住民移転:不要。

(ハ)外部要因リスク:特になし。

2.資金協力案件の評価

(1)必要性

(イ)開発ニーズ
 フィリピン経済の持続的な成長を維持するためには、経済構造改革、インフラ整備を含めた投資環境改善、財政再建、不良債権処理、治安回復によるフィリピン経済への信頼回復等が課題である。貧困率は32.9%(フィリピンNational Statistics Coordination Board、2006年)で、依然として高く、また、人口の増加、経済活動の活発化等に伴い、環境問題が深刻化しつつあるところ、汚染源対策や環境保全・再生に向けた協力が求められている。このような状況を踏まえると、本件のニーズは大きい。

(ロ)我が国の基本政策との関係
 2008年6月に策定された対フィリピン国別援助計画において、1)「雇用機会の創出に向けた持続的経済成長」、2)「貧困層の自立支援と生活環境改善」、3)「ミンダナオにおける平和と安定」を重点分野とし、1)の下には「都市環境の改善」が含まれている。本計画は、フィリピン全土における環境保全及び生活環境の改善を図るものであり、1)及び2)に合致する。

(2)効率性
 本計画の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。

(3)有効性
 本計画の実施により、環境汚染物質の排出抑制、貧困地域への融資による貧困削減の促進、廃棄物処理施設の設置・改良による環境改善が期待される。さらには、フィリピンの経済・社会発展を通じた我が国との二国間関係の強化が期待される。

3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用

 要請書、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html 他のサイトヘ)、その他国際協力銀行より提出された資料。
 案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力銀行のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/archives/jbic/news.html 他のサイトヘ)及び事業事前評価表(http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html 他のサイトヘ)を参照。
 なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力銀行が行う予定。

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