評価年月日 平成20年4月17日
評価責任者 有償資金協力課長 宮原隆
(1)供与国名
パキスタン・イスラム共和国
(2)案件名
東西道路改修計画(国道70号線)(第一期)
(3)目的・事業内容
本計画は、バロチスタン州とパンジャブ州を結ぶパキスタンの国土横断道路のうち、最短ルートである国道70号線通過ルートについて、山岳区間の改修を行うもの。
供与限度額 | 金利 | 償還(据置)期間 | 調達条件 |
---|---|---|---|
154.92億円 | 0.2% | 40(10)年 | 日本タイド (本邦技術活用条件(STEP) |
注:コンサルティング・サービス部分は金利年0.01%。
(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点
(イ)EIA(環境影響評価):2007年3月、パンジャブ州環境保護庁により承認済み。
(ロ)用地取得及び住民移転:本計画の実施のための用地取得は約6ヘクタール、住民移転は30世帯であり、パキスタンの法制度に基づき実施予定。
(ハ)外部要因リスク:特になし。
(1)必要性
(イ)開発ニーズ
バロチスタン州の州都クエッタとパンジャブ州の州都ラホールを結ぶ東西横断道路のうち、国道70号線を通過する道路は、農作物、鉱業生産物等の輸送を担う物流上の重要なルートである。しかしながら現在、国道70号線の山岳部においては、急峻かつ急カーブで幅員の狭い区間があり、大型車両による走行上大きな支障となっている。このような状況を踏まえると、本件のニーズは大きい。
(ロ)我が国の基本政策との関係
我が国は2005年2月に策定した「対パキスタン国別援助計画」において、(1)人間の安全保障の確保と人間開発、(2)健全な市場経済の発達、(3)バランスの取れた地域社会・経済の発達、を経済協力の方向性として位置づけており、本案件は(2)に該当する。したがって、本件は我が国の基本政策に整合するといえる。
(2)効率性
本計画の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。
(3)有効性
本計画の実施により、両州を結ぶ輸送機能を向上させ、都市部と地方部のアクセスを強化するとともに、地域経済の発展に資することが見込まれる。さらには、パキスタンの経済・社会発展を通じた我が国との二国間関係の強化が期待される。
要請書、F/S、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html )、その他国際協力銀行より提出された資料。
案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力銀行のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/archives/jbic/news.html)及び事業事前評価表(http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html
)を参照。
なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力銀行が行う予定。