評価年月日 平成20年9月2日
評価責任者 有償資金協力課長 宮原隆
(1)供与国名
インド
(2)案件名
チェンナイ地下鉄建設計画
(3)目的・事業内容
本計画は、インド南部タミルナドゥ州のチェンナイ都市圏において、地下鉄及び高架鉄道等による高速輸送システムの建設を行うもの。
供与限度額 | 金利 | 償還(据置)期間 | 調達条件 |
---|---|---|---|
217.51億円 | 1.2 | 30(40)年 | 一般アンタイド |
(注)コンサルタント部分は金利0.01%を適用。
(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点
(イ)EIA(環境影響評価):2008年5月作成済み(インド政府の承認は不要)。
(ロ)用地取得及び住民移転:本計画のため、8.01ヘクタールの用地取得が必要であり、2009年3月までには取得できる見込み。住民移転は、213世帯及び417軒の店舗の移転が必要であり、2009年3月までには完了できる見込み。
(ハ)外部要因リスク:交通需要の変化。
(1)必要性
(イ)開発ニーズ
タミルナドゥ州チェンナイ都市圏は、南インド最大の都市圏としてインドで第4位の人口を抱え、世界でもトップクラスの人口密度(24,000人/平方キロメートル)を有する。同都市圏は、市民の移動手段として自動車特に2輪車への依存度が311台/千人と高いことが特徴(デリー210台、ムンバイ44台)であり、1996-2006年の10年間に自動車の登録台数は2倍、2輪車の登録台数は2.5倍と増えており、これが交通渋滞の主な要因となっている。このような状況を踏まえると、本件のニーズは大きい。
(ロ)我が国の基本政策との関係
2006年6月に策定された「国別援助計画」においては、今後の対インドODAの重点目標として、(a)経済成長の促進(「経済成長を通じた貧困削減」を追求するためのインフラの整備等)、(b)貧困・環境問題の改善及び(c)人材育成・交流拡大(強固な二国間関係の構築を念頭)を掲げている。本計画は、都市交通システムの整備という観点から、同国のインフラ整備に資する案件として上記(a)に合致する。。
(2)効率性
本計画の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。
(3)有効性
本計画の実施により、増加する輸送需要への対応を図り、もって交通渋滞の緩和と交通公害の減少を通じた地域経済の発展及び都市環境の改善に寄与することが期待される。さらには、インドの経済・社会発展を通じた我が国との二国間関係の強化が期待される。。
要請書、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(http://www.jbic.go.jp/japanese/environ/guide/kankyo/index.php)、その他国際協力銀行より提出された資料。
案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/data/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力銀行のプレスリリース(http://www.jbic.go.jp/japanese/base/release/index.php)及び事業事前評価表(http://www.jbic.go.jp/japanese/oec/before/index.php)を参照。
なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力銀行が行う予定。