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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日 平成18年12月25日
評価責任者 有償資金協力課長 岩間公典

1.案件概要

(1)供与国名
 イラク共和国

(2)案件名
 アル・ムサイブ火力発電所改修計画

(3)目的・事業内容
 本案件は、バグダッド郊外に位置する既存のアル・ムサイブ火力発電所の改修を行うもの。

供与限度額 金利 償還(据置)期間 調達条件
367.64億円 0.75% 40(10)年 一般アンタイド

(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点

(イ)EIA(環境影響評価):不要
(ロ)用地取得及び住民移転:不要
(ハ)外部要因リスク:治安の変化

2.資金協力案件の評価

(1)必要性

(イ)開発ニーズ
 イラクにおいて、十分な電力を確保することは、経済復興と社会安定回復にとって必要不可欠である。しかしながら、湾岸戦争等の紛争や経済制裁により電力部門への新規投資や維持管理が不十分であったことから、発電機能が大幅に低下しており、本案件に対するニーズは高い。
(ロ)わが国の基本政策との関係
 国際的なイラク復興支援の枠組みの下、我が国は、自衛隊派遣による人的貢献とODAによる支援を「車の両輪」としてイラク復興支援を実施してきた。ODAによる支援については、上記マドリッド会合において、「当面の支援」として電力、教育、水・衛生等イラク国民の生活基盤の再建及び治安の改善に重点をおいた総額15億ドルの無償資金供与、2007年までの中長期的な復興需要に対しては、上記の分野に加え、電気通信、運輸等のインフラ整備も視野に入れて、基本的に円借款により、最大35億ドルまでの支援を行うことを表明した。このことから、本案件はわが国の基本政策と整合する。

(2)効率性
 本案件の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。

(3)有効性
 本案件の実施により、バグダッドを中心とするイラク全土の電力供給体制の効率化と安定化、さらには電力供給能力の改善による民生の向上や産業の活性化等が期待される。また、本案件の実施はイラクの経済・社会復興に寄与し、ひいては我が国との二国間関係の強化につながる。

3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用

 要請書、F/S、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html)、その他国際協力銀行より提出された資料。
 案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index/anken/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力銀行のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/archives/jbic/news.html)及び事業事前評価表( http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html)を参照。
 なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力銀行が行う予定。

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