評価年月日 平成19年3月5日
評価責任者 有償資金協力課長 岩間公典
1.案件概要
(1)供与国名
インド
(2)案件名
オリッサ州総合衛生改善計画
(3)目的・事業内容
本案件は、オリッサ州の州都ブバネシュワール市及びカタック市において、下水道施設、雨水排水施設の整備等を行う。
供与限度額 | 金利 | 償還(据置)期間 | 調達条件 |
190.61億円 | 0.75% | 40(10)年 | 一般アンタイド |
(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点
(イ)EIA(環境影響評価)
不要。
(ロ)用地取得及び住民移転
用地取得が必要な土地は約48ヘクタールであり、2009年3月中に取得する見込み。住民移転は不要。
(ハ)外部要因リスク
自然災害の発生。
2.資金協力案件の評価
(1)必要性
(イ)開発ニーズ
ブバネシュワール市及びカタック市は人口増加により、生活排水を中心とする汚水量が急増している。しかしながら、両市において現在稼働している下水処理施設がほとんどないため、発生する下水は未処理のまま放流され、市内を流れる排水基準はインド国内の放流基準を大きく超えており、経済活動の停滞や住民の生活環境の悪化を招いている。これらの事情を考慮すると下水道及び排水施設の整備を行う本案件のニーズは高いといえる。
(ロ)対インド国別援助計画との関係
本案件は、わが国の対インド国別援助計画において重点分野の一つとなっている「貧困・環境問題の改善」に該当するため、わが国の基本政策と整合する。
(2)効率性
本案件の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。
(3)有効性
本案件の実施により、民生の向上、防災、都市環境の改善等が期待される。また、長期的には日印経済関係が強化され、二国間関係の増進、さらには我が国の安全と繁栄の確保に資することになる。
3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用
要請書、F/S、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html)、その他国際協力銀行より提出された資料。
案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index/anken/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力銀行のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/archives/jbic/news.html)及び事業事前評価表(
http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html)を参照。
なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力銀行が行う予定。