評価年月日 平成19年3月5日
評価責任者 有償資金協力課長 岩間公典
1.案件概要
(1)供与国名
インド
(2)案件名
グジャラート州森林開発計画(II)
(3)目的・事業内容
本案件は、グジャラート州において、植林、地域開発・生計改善活動、森林保全活動基盤整備・強化及び野生動物保護・管理等を行う。
供与限度額 | 金利 | 償還(据置)期間 | 調達条件 |
175.21億円 | 0.75% | 40(10)年 | 一般アンタイド |
(4)環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点
(イ)EIA(環境影響評価)
不要。
(ロ)用地取得及び住民移転
不要。
(ハ)外部要因リスク
自然災害の発生。
2.資金協力案件の評価
(1)必要性
(イ)開発ニーズ
グジャラート州の森林地域には指定部族が多く居住しており、貧困率が高い。この指定部族は森林の薪や牧草などに収入と生活資源を依存し、森林伐採を重ねていることから、同州の疎林の面積は1995年の5,262平方キロメートルから2003年には8,601平方キロメートルに拡大、疎林率も45.2%から57.5%に増加する等、森林の荒廃が進んでいる。このことは同州の森林の水源涵養力、森林の自然再生力の低下をもたらし、住民の貧困化を招いている。このため、植林による荒廃林の復元や森林管理能力の強化等を行う本案件のニーズは高いといえる。
(ロ)対インド国別援助計画との関係
本案件は、わが国の対インド国別援助計画において重点分野となっている「貧困・環境問題の改善」に該当するため、わが国の基本政策と整合する。
(2)効率性
本案件の実施において進捗状況を適切に監理することにより、案件の効率性が確保される。
(3)有効性
本案件の実施により、地方開発、防災、森林の再生等が期待される。また、長期的には日印経済関係が強化され、二国間関係の増進、さらには我が国の安全と繁栄の確保に資することになる。
3.事前評価に用いた資料、有識者等の知見の活用
要請書、F/S、環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(http://www.jica.go.jp/environment/guideline/archives/jbic/index.html)、その他国際協力銀行より提出された資料。
案件に関する情報は、交換公文締結後公表される外務省の約束状況に関する資料及び案件概要(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/index/anken/zyoukyou.html)、借款契約締結後公表される国際協力銀行のプレスリリース(http://www.jica.go.jp/press/archives/jbic/news.html)及び事業事前評価表(
http://www.jica.go.jp/activities/evaluation/before.html)を参照。
なお、本案件に関する事後評価は実施機関である国際協力銀行が行う予定。