1.案件名
1-1.供与国名 エジプト・アラブ共和国 1-2.案件名 「エルマハラエルコブラ浄水場拡張計画」 |
||||||||||||
2.無償資金協力の必要性 2-1.二国間関係 中東・アフリカ地域において大きな影響力を有するエジプトの安定は、地域の安定及び中東諸国全体と我が国の友好関係の維持に密接に関わる。そのため、我が国は、エジプトを中東・アフリカ地域の重点援助国と位置付け、これまで経済社会基の整備、貧困対策、人材育成等の分野において積極的に支援を行ってきている。 2-2.対象国の経済状況 1991年以降、国際通貨基金(IMF)との合意に基づき市場経済化に向けた経済構造改革が進められ、年5%以上の経済成長、インフレ率の低下、財政赤字の縮小といった成果を達成した。しかし、外貨収入源が観光業に偏っているため中東情勢の影響を受けて国際収支が不安定である中、経済の自由化により輸入が急増したことに伴い、厳しい外貨不足に見舞われたこと等もあって景気が後退した。その後徐々に景気が回復し、近年政府発表でGDP成長率は4%台の水準で推移している。 2-3.対象国の開発ニーズ エジプトにおいては、都市人口が急増していることから、上下水道をはじめとする都市住環境の保全・改善に関する事業の展開が急務とされている。現在実施中の第5次国家経済社会開発5ヶ年計画(2002-2006)においても、その重点目標として社会サービスへの政府予算増加による生活水準の向上を挙げており、その中で上下水道の整備を進めている。 本件対象地であるエルマハラエルコブラ市を含むエルマハラエルコブラ郡は、繊維産業及び農業の拡大により人口増加が著しく(1995年に約74万人であった人口が2005年には約100万人に増加)、特に市内への人口流入が続いてきたが、人口増加に対する給水設備の整備が追いつかず、給水の供給量不足の問題が現在まで解決されずに至っている。市内には慢性的に水が届かない地域もあり、安定した給水量を確保するための給水施設の整備が当該セクターにとって急務とされている。 本件の実施機関である全国上下水道庁は、大カイロ圏とアレキサンドリア市を除く全国の大型上水道建設事業計画を同庁の5ケ年計画としてまとめ、上位官庁である住宅公共施設省などの予算認可を受けて事業を実施している。本件は、この枠組みに沿った計画であり、ナイルデルタ地域の中心都市であるエルマハラエルコブラ市とその周辺10村落の給水改善をはかり、同地区の住居環境の向上を目指すものである。(4)こうした状況の下、エジプト政府は、同地域における給水状況の改善を目指しているが、厳しい財政事情の下で実施の目途が立たないため、「エルマハラエルコブ浄水場拡張計画」を策定し、同計画の実施に必要な資金につき我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。 2-4.我が国の基本政策との関係 対エジプト国別援助計画(平成12年策定)においては、重点分野の一つとして安全な水の確保を含む生活環境の向上があげられており、本件は同計画と合致している。 2-5.無償資金協力を実施する理由 エジプトは低中所得国であり、本案件の実施についてエジプト政府から高い優先順位を付して要請が行われており、実施により対象地区の給水状況が改善される。 |
||||||||||||
3.案件概要
3-1.目的 本計画は、エルマハラエルコブラ郡のエルマハラエルコブラ市において浄水場を拡張することにより、同市及び周辺10村における給水量の改善を図ることを目的とする。 3-2.案件内容 本計画の供与限度額は24億2300万円(3箇年に亘る国庫債務負担行為。平成18年7400万円、19年度:12億2100万円、20年度:11億2800万円)であり、浄水場の拡及び機材供与を行うものである。 3-3.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点 次の事項がエジプト政府によって確保される必要がある。
| ||||||||||||
4.事前評価に用いた資料、有識者の知見等
|