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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成15年5月13日
評価責任者:無償資金協力課長 山田彰


1.案件名

1-1.供与国名
 ベトナム社会主義共和国

1-2.案件名
 「第二次中部地方橋梁改修計画(1/3期)」
2.無償資金協力の必要性

2-1.二国間関係
 1992年11月に我が国が円借款を再開したことを契機に、両国関係は将来を見据えた新たな段階に入り、また近年の首脳の相互訪問等を経て、両国関係は経済面のみならず政治、文化に亘る幅広い分野での交流が進んでいる。なお、2003年は日越外交関係樹立30周年にあたる。

2-2.対象国の経済状況
 1989年頃より「ドイモイ(刷新)」の成果が上がり始め、1995~96年には9%台の高い経済成長を続けた。しかし、1997年に入り、成長率の鈍化等の傾向が表面化したのに加え、アジア経済危機の影響を受け、外国直接投資が急減し、また、輸出面でも周辺諸国との競争激化に晒され、1999年の成長率は4.8%に低下した。2000年の成長率は6.7%、2001年は6.8%を記録し、経済は回復過程に入ったと見られる。しかし、慢性的貿易赤字、主要農産物の国際価格低下、未成熟な投資環境等、懸念材料も依然残っている。

2-3.対象国の開発ニーズ
 ベトナム政府が策定した「2020年までの道路開発計画」では、地方道路について、1)北部の山岳地域、2)中部の険しい山岳地域、3)メコンデルタ地域、を対象に整備目標が掲げられており、現在のところ、開発が最も遅れ、経済的にも最も貧しい中部地方の橋梁建設及び整備が緊急課題として残されている。中部地方の地方道路における橋梁は、老朽化した橋、落橋の可能性の高い橋、仮設の橋、重量制限がある橋であり、また道路によっては橋が未整備な箇所もあることから、中部地方の農村から地域外への物流の障害となっているのみならず、洪水時には地域住民の孤立化も招き住民の生命及び安全を脅かしている。このような状況の下、ベトナム政府は「第二次中部地方橋梁改修計画」を策定している。

2-4.我が国の基本政策との関係
 2000年6月に策定・公表された対ベトナム国別援助計画の援助重点分野の一つである「電力・運輸等のインフラ」に合致している。

2-5.無償資金協力を実施する理由
 ベトナムは後発開発途上国であり、本件の実施について、ベトナム政府より高い優先順位を付して要請が行われている。
3.案件概要

3-1.目的
 本計画は、ベトナムの中でも開発が遅れ、経済的にも貧しい中部地方18省の地方道路(省道、郡道、村道)における中小規模の橋梁の架け替え及び新設を行い、ベトナム中部地方において安全かつ円滑な交通を確保することを目的としている。

3-2.案件内容
 供与限度額は10億1,000万円。3期分けの第1期分として、ベトナム中部地方における6橋の架け替え及び新設を行うもの。

3-3.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点
 次の事項がベトナム政府によって確保される必要がある。
(1) 建設予定地の用地取得が確実に行われること。
(2) 予算が確保され、適切に橋梁の維持管理が行われること。

3-4.無償資金協力の成果の目標(アウトカム)
(1) 本計画において橋梁の架け替え及び新設が行われることにより、1)協力対象地域の安全かつ円滑な交通が確保され、2)これまでの迂回輸送コストが削減され、3)住民の生活に資する通年交通が確保される。
(2) ベトナムとの二国間関係を増進させる。
4.事前評価に用いた資料、有識者の知見等

(1)先方政府からの要請書
(2)第4回無償資金協力実施適正会議にて検討。


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