1.案件名
1-1.供与国名 ベトナム社会主義共和国 1-2.案件名 「麻疹ワクチン製造施設建設計画」 | ||||||||||||||
2.無償資金協力の必要性
2-1.二国間関係 1992年11月に我が国が円借款を再開したことを契機に、両国関係は将来を見据えた新たな段階に入り、また近年の首脳の相互訪問等を経て、両国関係は経済面のみならず政治、文化に亘る幅広い分野での交流が進んでいる。なお、2003年は日越外交関係樹立30周年にあたる。 2-2.対象国の経済状況 1989年頃より「ドイモイ(刷新)」の成果が上がり始め、1995~96年には9%台の高い経済成長を続けた。しかし、1997年に入り、成長率の鈍化等の傾向が表面化したのに加え、アジア経済危機の影響を受け、外国直接投資が急減し、また、輸出面でも周辺諸国との競争激化に晒され、1999年の成長率は4.8%に低下した。2000年の成長率は6.7%、2001年は6.8%を記録し、経済は回復過程に入ったと見られる。しかし、慢性的貿易赤字、主要農産物の国際価格低下、未成熟な投資環境等、懸念材料も依然残っている。 2-3.対象国の開発ニーズ ベトナムにおいても麻疹は子供の死亡の主要因の一つであるため、ベトナム政府は予防接種による5歳未満児死亡率、乳児死亡率の引き下げを保健・医療分野の重要課題として位置付けており、政府として予防接種拡大計画を進めている。しかしながら、先進国の麻疹ワクチンメーカーは、低価格のワクチンからより付加価値の高いワクチンの生産へ方向転換を図る傾向にあり、輸入を必要とする各国ではワクチンの安定供給が懸念される傾向にある。このような状況の下、ベトナム政府は麻疹ワクチンを自国で製造する計画を策定している。 2-4.我が国の基本政策との関係 2000年6月に策定・公表された対ベトナム国別援助計画の援助重点分野の一つである「教育、保健・医療」に合致している。 2-5.無償資金協力を実施する理由 ベトナムは後発開発途上国であり、本案件の実施について、ベトナム政府から高い優先順位を付して要請が行われている。 | ||||||||||||||
3.案件概要
3-1.目的 本計画は、予防接種による5歳未満児死亡率、乳児死亡率の引き下げを保健・医療分野の重要課題として位置付け、予防接種拡大計画を進めているベトナム政府の努力を支援するため、ベトナム政府が麻疹ワクチンを自国で製造するために必要な施設及び機材の整備を目的としている。 3-2.案件内容 供与限度額は21億4,100万円(平成15年度:0.70億円、平成16年度:14.42億円、平成17年度:6.29億円)。麻疹ワクチン製造棟、動物実験棟、機械棟の建設、ワクチン製造機材の整備、麻疹ワクチンの製造・品質管理指導及び施設・機材の維持管理指導を行うもの。 3-3.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点 次の事項がベトナム政府によって確保される必要がある。
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4.事前評価に用いた資料、有識者の知見等
(1)先方政府からの要請書 (2)第3回無償資金協力実施適正会議にて検討。 |