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政策評価法に基づく事前評価書

評価年月日:平成15年4月11日
評価責任者:無償資金協力課長 山田彰


1.案件名

1-1.供与国名
 アンゴラ共和国

1-2.案件名
 「ジョシナ・マシェル病院整備計画(2/2期)」
2.無償資金協力の必要性

2-1.二国間関係
 我が国は、1994年11月に内戦収束に向けた動きがあったことを受け、アンゴラの復興・再建努力を支援するとの観点から1995年以降同国に対し経済協力を実施している。2001年1月にドス・サントス大統領が来日し、2002年4月の内戦停戦合意後は、川口外務大臣、矢野外務副大臣、オッシ商業大臣等、要人往来も活発化しており、二国間関係は極めて良好。

2-2.対象国の経済状況
 石油・ダイヤモンド等の鉱物資源の他、漁業資源等の天然資源は豊富であり、農業生産の潜在能力も高いが、1975年の独立以来、長期に渡る内戦による経済インフラ等の破壊もあり、経済は極度に疲弊し、石油を除く全ての経済部門に影響が生じた。一方、同国は、サブサハラ・アフリカ第二位の産油国であり、原油生産に支えられ1997年から2001年の平均GDP成長率は年間4.4%であった。2002年の内戦停戦合意後、アンゴラ政府は復興へ向けて積極的な動きに出ており、2003年中を目途に復興支援ドナー会合の実施をドナー諸国に呼びかけている。

2-3.対象国の開発ニーズ
 長年に渡る内戦の影響により、保健医療事情はサブサハラ・アフリカの中でも劣悪な状況にある。主要伝染病疾患は、マラリア、呼吸器系感染症、下痢症が最も多く死亡原因も同様である。こうした状況を改善するため、アンゴラ政府は、保健政策の根幹となる「保健開発5カ年計画(2000~2004)」を策定し、1)医療施設のサービス向上、2)医療従事者の養成に重点をおいている。

2-4.我が国の基本政策との関係
 アンゴラの復興・再建努力を支援するとの観点から、援助重点分野のひとつである保健・医療に合致。

2-5.無償資金協力を実施する理由
 アンゴラは後発開発途上国であり、本件の実施についてアンゴラ政府から高い優先順位を付して要請されている。
3.案件概要

3-1.目的
 本計画は「保健開発5カ年計画(2000~2004)」の目標である医療施設のサービス向上を達成するため、アンゴラにおける医療サービスの中核となる医療施設を改善し国全体の医療のレベルアップを図ることを目的としている。

3-2.案件内容
 供与限度額は28億4,700万円(3年間にわたる国庫債務負担行為案件。平成15年度:3.90億円、平成16年度:17.74億円、平成17年度:6.83億円)第二期目として、手術室等の高度診療部門の改築、外来棟・病棟等の改修、自家発電設備等の更新、医療機材の供与及び施設・機材の維持管理に関する技術指導。

3-3.環境社会配慮、外部要因リスクなど留意すべき点
 医療要員の増員及び施設維持管理要員の確保が必要。

3-4.無償資金協力の成果の目標(アウトカム)
(1) 施設・機材の改善および運営維持管理に係る技術指導により、三次医療機能を持つアンゴラ最大の総合病院である同病院の衛生状況、病院運営、医療サービスが改善され、三次医療施設としての機能が確保される。
(2) アンゴラにおける保健医療事情の改善に貢献する。
(3) アンゴラの復興・再建努力を支援し、地域情勢の安定化を図るとともに2国間 関係を増進させる。
4.事前評価に用いた資料、有識者の知見等

(1)先方政府からの要請書
(2)第3回無償資金協力実施適正会議にて検討。


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