(2)国際協力事業関係者の安全対策
©さいとう・たかを
外務省・ゴルゴページ
ODA事業を中心とする開発協力の実施に当たっては、JICA関係者のみならず、ODAに携わる企業、NGOなど全ての国際協力事業関係者の安全確保が大前提です。そのために、外務省およびJICAでは平素から十分な安全対策や体制整備を行っています。
2016年7月のバングラデシュ・ダッカ襲撃テロ事件後、関係省庁、政府関係機関および有識者が参加した国際協力事業安全対策会議での再検証の結果公表された「最終報告」注24を受け、外務省およびJICAは、同報告書に記載された安全対策注25の実施に取り組むとともに、国際協力事業関係者の安全対策の実効性を確保するための対応を継続・強化しています。最終報告以降に常設化された2025年の同会議では、外務省から、最近の特に注意すべきテロ・誘拐情勢について、JICAから、同年に発生したODA事業関係者の安全に関わる事案と安全対策について、さらに国際協力事業に携わる企業関係者やNGO関係者からも、安全対策や課題などについて情報を共有し、議論を行いました。
ダッカでの事件を受け、中堅・中小企業関係者の海外安全対策を強化すべく2016年に創設された「中堅・中小企業海外安全対策ネットワーク」注26は、日本企業の海外展開に関係する省庁や機関が参加し、局長級の本会合を年1回程度開催しています。2025年1月には第9回本会合を開催し、宮路外務副大臣(当時)が出席しました。同会合では、ネットワーク参加組織は、積極的な啓発活動に取り組んでおり、外務省からの海外安全に関する情報を傘下企業に迅速に展開するなど、緊密な官民連携の促進が確認されました。また、中堅・中小企業の安全対策を進めていくため、今後も団体・関連省庁との連携をより一層強化していくことで一致しました。
2025年においては、3月下旬に南スーダンの首都ジュバにおいて武力衝突が発生した際、また、6月13日以降、イスラエルとイランの間の攻撃の応酬により、中東地域における事態が急速に悪化した際、上記の平素からの対策・取組を基盤としつつ、情勢を的確に見極めながら、国際協力事業関係者を含む邦人の迅速な国外退避を実施しました。
なお、外務省では、「ゴルゴ13×外務省 海外安全対策マニュアル」を作成し、海外で活動する国際協力事業者も含めた海外渡航者向けの海外安全対策情報をわかりやすい漫画形式で公開しています。
- 注24 : 国際協力事業の安全対策 https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/about/keitai/page22_000120.html
- 注25 : (1)脅威情報の収集・分析・共有の強化、(2)事業関係者およびNGOの行動規範、(3)ハード・ソフト両面の防護措置、研修・訓練の強化、(4)危機発生後の対応、および(5)外務省・JICAの危機管理意識の向上・態勢の在り方の5点。
- 注26 : 中堅・中小企業海外安全対策ネットワーク https://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/network.html
