2020年版開発協力白書 日本の国際協力

開発協力トピックス8

持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた日本の取組
~第4回ジャパンSDGsアワード~

第4回ジャパンSDGsアワード表彰式でのみんな電力株式会社(SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞受賞者)との記念撮影(2020年12月)、(写真:内閣広報室)

第4回ジャパンSDGsアワード表彰式でのみんな電力株式会社(SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞受賞者)との記念撮影(2020年12月)、(写真:内閣広報室)

日本政府は、持続可能な開発目標(SDGs)達成に向けた日本全国の取組を見える化し、行動を促進する観点から、SDGs達成に資する優れた取組を行っている企業・団体等を表彰する「ジャパンSDGsアワード」を2017年から実施しています。

2020年12月に開催された第4回ジャパンSDGsアワード授賞式では、「顔の見える電力TM」をコンセプトに再生可能エネルギーを通じた地域間連携の促進に取り組むみんな電力株式会社がSDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞を受賞しました。また、開発途上国の課題解決に資する環境・農業技術を開発する農業高校、障害者や元子ども兵の自立支援を行うNPOなど、多様な主体による国内外でのSDGs達成に向けた取組が表彰されました。

○受賞団体の取組の例

ラオスの障害者作業所の様子(写真:Support for Woman's Happiness)

ラオスの障害者作業所の様子(写真:Support for Woman's Happiness)

・みんな電力株式会社(SDGs推進本部長(内閣総理大臣)賞)

みんな電力株式会社は、「顔の見える電力TM」をコンセプトに、2016年から再生可能エネルギー小売事業を始めました。ブロックチェーン*1を活用した「電力トレーサビリティ」システムの商用化を世界で初めて実現し、電力消費者が、「どの発電所からどれだけの電気を買ったのか」が分かるようになっています。

2019年には、神奈川県横浜市の電気利用者と青森県横浜町の発電事業者を電気で結ぶ「横横プロジェクト」が開始されました。同プロジェクトでは、上述のシステムが生かされ、横浜町で生産された電力が横浜市の企業などに供給されています。エネルギーの消費地であり、カーボンニュートラルの実現を目指している横浜市と、再生可能エネルギーが豊富な横浜町との間で、電気を通じた地域循環共生圏*2が構築され、都市の脱炭素化の推進と地方の経済活性化を実現することを目指しています。


・特定非営利活動法人Support for Woman's Happiness(SDGs推進副本部長(外務大臣)賞)

Support for Woman's Happinessは、ラオスの障害者団体と協力し、ラオス国内に、身体障害者の女性や少数民族の女性が働きながら暮らす施設を設立しました。ミシンや刺繍(ししゅう)技術などの職業訓練を実施して、日本の障害者と共同で質の高い製品を作れるようサポートし、日本とラオス双方の障害者自立支援を行っています。

さらに、ラオスの障害者、日本の精神障害者、日本人デザイナーなどが連携し、ラオスの伝統的なお茶であるバタフライピーの日本での製品化やお土産品の作成などをそれぞれの国の作業所で分担して作業することで、国を越えて障害者が支え合う仕組みを確立しています。ラオスと日本の伝統の織物を組み合わせた製品は評判が良く、ラオス国内のみならず日本国内の百貨店等でも展示・販売をしています。

伝統的に女性が主要な労働者である布づくりを活動の基礎にしていることもあり、女性の障害者が男性と同じ収入を得られる仕組みとなっています。


*1 インターネットなどオープンなネットワーク上で、高い信頼性が求められる重要データのやり取りなどを可能にする「分散型台帳(データベース)技術」。この技術を活用することで、コストのかかる第三者機関(仲介役)を介さずに偽装や改ざんを防ぐことが可能になる。

*2 各地域が美しい自然景観等の地域資源を最大限活用しながら自立・分散型の社会を形成しつつ、地域の特性に応じて資源を補完し支え合うことにより、地域の活力が最大限に発揮されることを目指す考え方。

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