2020年版開発協力白書 日本の国際協力

(3)民主化支援

統治と開発への国民の参加および人権の擁護(ようご)と促進といった民主主義の基盤強化は、開発途上国の中長期的な安定と開発の促進にとって極めて重要な要素です。特に、民主化に向けて積極的に取り組んでいる途上国に対して、選挙制度支援などを通じて民主化への動きを後押しすることが重要です。

●日本の取組

2020年11月、ミャンマーでは、現行憲法下で3回目となる総選挙が平和裡に行われました。公正かつ透明性の高い選挙を実施することは、ミャンマーの民主主義の定着にとって重要な課題であることから、日本はミャンマーに対する無償資金協力「選挙支援計画(UNDP連携)」を実施し、ミャンマーの全投票所に一定期間色落ちしない特殊インクを配備し、すべての有権者を対象に二重投票の防止に活用(指に塗布)することで、公正かつ透明性の高い選挙の実施に寄与しました。

日本は、スリランカに対し、2020年7月、草の根・人間の安全保障無償資金協力「自由・公正な総選挙実施を通じた民主化推進計画」において、同国における民主主義の定着や理解醸成、人権が尊重される社会の構築のための支援として、選挙監視活動従事者への研修や広報・啓発活動に対する資金を供与しました。また、啓発活動では、有権者の安全に配慮した新型コロナウイルス感染症の感染予防に係る投票行動についてもプログラムに組み込み、実施しました。

また日本は、コートジボワールや中央アフリカに対し、透明性・信頼性の高い選挙実施のための支援を決定し、選挙用資機材保管コンテナ等の選挙管理のための機材供与や、選挙運営に係る能力強化研修等を実施しました。

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