2014年10月
外務省国際協力局
「グローバルフェスタJAPAN 2014」における特別企画「写真展『女性が輝く世界』」には,多く作品のご応募,また当日ご来場いただき,ありがとうございました。
グローバルフェスタ会場内の写真展ブースでは,ご応募いただいた作品の中からグローバルフェスタJAPAN 2014実行委員会によって選出された,世界各地で行われている女性関連の支援活動の様子や現場で活躍している女性達,世界各国の女性の暮らしぶりなどを写した100点の作品が展示され,来場者は熱心に作品に見入っていました。
なお,個人部門とNGO部門でご応募いただいた作品の中から,最優秀作品及び優秀作品に選出された作品については,10月4日(土曜日)のグローバルフェスタのオープニング・セレモニーの際に表彰式が行われ,最優秀賞の方には協力企業,株式会社HIS(エイチ・アイ・エス)東日本法人団体専門店事業部の小林様から賞状と副賞としてアジア行き航空券の贈呈がありました。
写真展ブースの様子
表彰作品(個人部門3作品/NGO部門3作品)

最優秀賞 - 個人部門
- タイトル:
- 「小さな命へ」
- 受賞者:
- 安田 一貴 様
- 撮影:
- ウズベキスタン・タシケント/2013年6月
- 写真について:
- 白血病と闘う子どもたちに日本祭りで元気と笑顔をプレゼント。
白血病を中心とした小児がんの子どもたちが入院する小児病院で活動する青年海外協力隊が,院内で日本祭りを開催。当日は多くの隊員が協力して,盛大なお祭りになった。病気や治療など厳しい現実と闘っている子どもたちに,そんなことを一瞬でも忘れてほしい,笑顔と元気をプレゼントしたい,そんな想いを込めたお祭りでの一枚。

最優秀賞 - NGO部門
- タイトル:
- 「村の集会で住民の声をきめ細かく拾う」
- 受賞者:
- 特定非営利活動法人
ハンガー・フリー・ワールド 様
- 撮影:
- ブルキナファソ/2012年8月
- 写真について:
- 現地では必ず住民と直接対話し,事業の進捗や暮らしぶりについて詳細に聞き取り,ニーズを掘り起こします。
ハンガー・フリー・ワールド(HFW)の海外支部は現地職員が運営していますが,支部担当者は年2回,現地に足を運び各1か月ほど滞在します。その際,必ず行っているのが,各村での集会。実施している事業の進み具合や,問題点,村の人たちの要望など,直接聞き取り調査をします。こうして拾った声は,現地職員たちと一緒に事業の進捗を確認するうえで大切な要素に。住民たちは,家族総出で集まってくれ,率直な思いを伝えてくれます。

優秀賞 - 個人部門(1)
- タイトル:
- 「未来への軌跡“そろばん”」
- 受賞者:
- 国分 敏子 様
- 撮影:
- ガーナ共和国ボルタ州アフィフェ村
/2011年9月
- 写真について:
- 子どもの生きる力を育むのは,私たち大人の仕事。そして愛あるまなざし。
ガーナ東部のある小さな村でそろばん教室を始めて4年目に入りました。写真は,2011年8月に教室を始めて,約1か月経過した時のものです。当時は,机も椅子も満足になく,そろばんをはじく腕が隣の子に当たってしまうという状況の中で,そろばん教室を行っていました。4年目の今では,小数点の掛け算・割り算ができる子どももいます。そろばん教室の運営は決して容易ではなく,時には,心が折れそうになることもありますが, 「大人は,どんなことがあっても,子どもの未来を輝かせる努力をあきらめてはいけない」という思いを込めての作品です。

優秀賞 - 個人部門(2)
- タイトル:
- 「村に井戸ができたわ!」
- 受賞者:
- 坂本 達 様
- 撮影:
- ギニア共和国ラベ県
イエンベレン群ドンゴル村
/2005年6月
- 写真について:
- 村人が水管理委員会を発足させ,自ら完成させた井戸。衛生担当委員も,井戸掘りを陰で支えたのも女性たち。
この井戸は,村人たちが「水管理委員会」を作り,自ら維持・管理をしてくことを条件にスタートしました。委員会の役割は,委員長,副委員長,会計担当,修理担当,衛生担当ですが,普段水汲みをする女性が衛生担当となりました。村人が心から欲しいと願っていた物が,村人たちの手によって作られました。井戸が完成したとき,「日本,ありがとう!」と言われました。個人的な思いで始まったプロジェクトですが,素直に嬉しかったです。言うまでもなく,嬉しそうに水汲みをしているこの写真の女性たちが,プロジェクトを食事など生活面で支えてくれました。

優秀賞 - NGO部門(1)
- タイトル:
- 「子どものための衛生促進イベントでフェイスペイント!」
- 受賞者:
- 特定非営利活動法人 ジェン 様
- 撮影:
- ヨルダン・ハシェミット王国
シリア難民ザータリキャンプ
- 写真について:
- 砂漠の真ん中にあるキャンプ内の半分以上は子ども。子どもたちが楽しみながら参加できる衛生教育を行います。
ザータリキャンプでは上下水道が整備されておらず,衛生的な環境ではないため,不衛生な生活から病気になることが懸念されています。この写真は,子ども向け衛生促進イベントの一部を写した写真です。フェイスペイントが大好きな子どもたち。楽しく学んでもらうための工夫が子どもたちの学ぶ意欲を高めます。厳しい避難生活の中でも,手洗い・歯磨きの習慣を身につけられるようこれからもサポートしていきます。

優秀賞 - NGO部門(2)
- タイトル:
- 「念願の教師になった奨学生」
- 受賞者:
- 特定非営利活動法人 地球の木 様
- 撮影:
- ネパール連邦民主共和国
- 写真について:
- 奨学金を得て村の高校で学んだ少数民族の女性がその後も勉強を続け,地元の小学校の先生になりました。
ネパールでは,性別,民族,住む地域,家庭の経済力などにより,大きな教育格差が見られます。首都カトマンズから75km離れたマンガルタール村は少数民族が多く住む山間の村です。そこに高校が増設されたことで女性たちにも高等教育への道が開けました。
ある小学校を訪問した時,元奨学生のジャナクマヤさんが赤ちゃんをおぶって授業をしているところに出会いました。同じ村の同じ民族の女性が教師になることで,小学校の女の子たちにも希望を与えることができることでしょう。