広報・資料 ODA関連報道

無償資金協力事業における落札率について(一部報道における指摘事項について)

平成18年10月17日

1.報道によれば、我が国の無償資金協力事業(注1)にかかる落札率(注2)が非常に高いとの指摘がありますが、外務省としてはどのように考えているのですか。

(答)

  1. 主契約者が日本企業に特定されている一般プロジェクト無償資金協力及び水産無償においては、予め政府間で署名される交換公文(E/N)により各案件の供与限度額が明示されています。またそれに加え、その事業の実施に伴う入札においては、一般に、(1)日本の予算制度の制約を踏まえた厳格な工期管理等の要請や(2)経済社会情勢や治安情勢が不安定な開発途上国において日本企業が事業を行う上でのリスクなどから、国内における入札との比較において、そもそも応札業者数が限定的になっているという実情があるものと考えられます。
  2. このような状況の中で、外務省としては、無償資金協力事業の入札における公正で自由な競争を一層確保していくためには、入札参加者の拡大を図り、競争性を向上させることが重要であると考えています。そのため、外務省ではJICAと協力しつつ、これまでに(1)入札公示期間の延長、(2)契約の細分化(ロット分け)、(3)入札関連情報の提供拡充等の措置を講じ、競争性の向上に取り組んでいます。また、最近では、更に(4)中小企業や地方企業の入札参加を促進するためのJICAによる企業向け説明会の開催や(5)入札事前資格審査基準(企業規模、海外事業実績、技術力等から構成される)の緩和の推進などの新たな取り組みを行っています。
  3. 今後ともこれらの取り組みを拡充し、無償資金協力事業の入札における、競争性、公正性の向上を図っていく方針です。

(注1)我が国の無償資金協力について
 我が国の無償資金協力では、一般に、被援助国政府が事業の実施主体となり、我が国から供与された資金を使用して、プロジェクトに必要な資機材、設備及び役務の調達を行っています。(日本政府が資機材等を直接調達して供与するといういわゆる現物供与の援助形態はとっていません。)
 このような無償資金協力には、目的を達成するために様々な援助手法がありますが、今回の報道における指摘の対象となっている一般プロジェクト無償及び水産無償は、被援助国政府との契約先が日本企業に特定されており、日本の高度な技術を活用した質の高い援助を通じて日本の「顔の見える援助」を行うことが可能な援助手法です。(なお、一般プロジェクト無償及び水産無償は一般競争入札を行っており、また資機材等の調達先については特定されておらず、世界中から安価な資機材を調達することが可能な制度となっています。)

(注2)落札率
 落札率=業者との契約額/予定価格
 外務省では無償資金協力事業の実施における透明性の確保のため、一般プロジェクト無償、水産無償等の入札結果等を外務省ホームページ上で公表しています。

2.無償資金協力事業においては、談合が恒常的に行われているとの指摘がありますが、事実関係はどうなっているのですか。

(答)

 そのような事実は承知していませんが、仮にそのようなことがあるとすれば許されるものではなく、無償資金協力事業において不正行為を行った企業に対する措置要領(外務省ODAホームページに掲載ずみ)に則って厳正に対応する必要があると考えています。

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