広報・資料 ODA関連報道

読売新聞記事掲載「ラオス造林センター建設計画」(一部報道における指摘事項について)

平成18年11月22日

問1.10月21日付読売新聞(35面)によれば、無償資金協力により建設されたラオス造林センターの建設に対して、財政難から施設の利用が低迷しているおり「安易な援助」との指摘がありますが、外務省としてどのように考えているのですか。

(答)

  1. ラオスからの要望により無償資金協力によって建設された造林センターは、一部報道にある「安易な援助」では決してありません。
  2. 何故ならば、本センターはラオス政府が総合的に勘案して提示した候補地を、日本側・ラオス側双方で再検討し合意されている等、入念な準備を行っている他、対象地域住民の生計向上、地方行政官らの参加型森林管理に関する知識や技術の向上等において大きな成果をあげており、プロジェクト対象地域の荒廃していた山野が今では森林として復元しています。
  3. 現地を調査したところ、今年の同センターの利用頻度が当初の計画よりも少なく、また維持費等の支払いに一部滞納が生じていることは事実です。しかし、同センターの収入に関しては、同記事の指摘では年間2,000ドルとありますが、実際には、研修の実施や紙布織の販売を通じ約9,000ドル(2005年度)の自己収入があり、また研修は2004年度に12回、2005年度には8回実施されており、ラオス側による維持管理のための自助努力が認められます。
  4. 更に、同センターにおいては、住民参加による森林管理手法の普及及び地方行政組織による森林保全・管理に関する知識・技術の習得を主な目的として、ラオス農林省林野局とJICAによる技術協力プロジェクト「森林保全・復旧計画」や「森林管理・住民支援プロジェクト」が実施されています。研修施設・設備等の充実した同センターを活用することによって、より効果的に研修等を実施することが可能となっており、我が国としては、このようなセンターの特徴を活かしつつ、今後もさらなる活用のためラオス政府に働きかけを行っていきます。

問2.ODAによる施設建設においては完成後の維持管理面においては問題が多いとの指摘がありますが、外務省としてはどのように考えているのですか。

(答)

  1. 施設完成後の維持管理については被援助国政府との交換公文(E/N)によって、被援助国政府の責任においてなされることが明記されています。また、JICAが実施する事前の調査においては、(1)被援助国のプロジェクト実施体制、(2)運営・維持管理体制、(3)被援助国負担事項についても調査を行い、また被援助国政府との協議を行っており、これらの事項の逐一について被援助国政府と合意の上、プロジェクトの実施を決定しています。
  2. 我が国のODAでは、いわゆる丸抱えの援助を行うのではなく、被援助国政府のオーナーシップを尊重し、自助努力を促すことにより、開発途上国が自立的な発展を遂げることを重視しています。その上で、開発途上国の不安定な政治・経済状況、自然災害、その他外部要因によって施設等が適切に維持管理されていない事例については、会計検査院や事後評価で指摘されたものを含め、在外公館等を通じて適切に維持管理を行うよう働きかける他、必要に応じてフォローアップのための支援を実施することにより、所期の目的を達成できるよう努めています。
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