編集後記
SDGsと評価
2015年9月の国連サミットで採択された「持続的な開発のための2030アジェンダ」は、「誰一人取り残さない」ことを理念に17項目からなる持続可能な開発目標(SDGs)を設け、加盟各国の取組を促しています。日本でも総理大臣を本部長とするSDGs推進本部の下で国内実施と国際協力の両面においてSDGs達成に向けた様々な取組が始まっています。
ODA評価では開発の視点からみた政策の妥当性の検証にあたって、日本の開発協力が国際的な優先課題との整合性がとれているのかを評価していますが、本年報に掲載した第三者評価ではODA政策とSDGsとの整合性の検証を行いました。
ところで、2030アジェンダには開発途上国におけるSDGsの推進のための開発途上国自身の評価能力構築の重要性も謳われています。日本がスリランカ政府の協力を得て2018年2月にコロンボで開催した第15回ODA評価ワークショップでは「持続可能な開発目標(SDGs)の時代における評価能力開発」をテーマに、アジア・太平洋諸国の評価実務者が国際機関、援助機関関係者と評価能力構築に向けた活発な意見を交わし、相互学習とネットワーク作りの良い機会となりました。
また、国際的にはSDGs時代に見合った評価基準のあり方についての検討作業がOECD開発援助委員会(DAC)において進められています。外務省は国内の評価関係者の協力を得ながら、この作業に積極的に参加しています。このように外務省ではODA政策の評価、途上国の評価体制構築、国際的なODA評価基準づくりにおいてSDGs時代に即した評価体制の拡充 を図っています。
大臣官房ODA評価室長
村岡 敬一