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「リベリア共和国の帰還民に対する再統合支援計画」に対する無償資金協力について

平成19年3月19日

  1. 我が国政府は、国連高等難民弁務官事務所(UNHCR)等が行う「リベリア共和国の帰還民に対する再統合支援計画(the Reintegration Assistance Program to Returnees in the Republic of Liberia)」の実施に資することを目的として、総額3億200万円の紛争予防・平和構築無償資金協力を行うことを決定し、このための書簡の交換が、3月19日(月曜日)(現地時間、同日)、リベリア共和国の首都モンロビアにおいて、我が方石川正紀駐リベリア国大使(ガーナ国兼轄)と先方メンゲシャ・ケベデUNHCRリベリア事務所代表(Mr. Mengesha Kebede, Representative, UNHCR Representation in Liberia)との間で行われた。
  2. (1)リベリアでは1989年以降14年に及ぶ内戦の後、国際社会の仲介を経て、政府側と反政府勢力の間で包括的和平合意が締結され、暫定移行政府が発足。2005年の選挙を経て、2006年1月にジョンソン=サーリーフ大統領がアフリカ初の民選女性大統領に就任し、新政権のもと国の再建が進められている。内戦により推定15万人以上の死者、220万人以上の難民・避難民が出たと言われ、世銀の報告によれば、89年末に11億ドルあったGDPは一時2.5億ドルまで激減するなど、国家経済は著しく疲弊した。内戦終結後ドナーによる復興支援および難民の帰還による農業の回復などにより、2005年のGDPは約5.5億ドルと経済は回復基調ではあるが依然として課題を抱え、平和の定着が求められている。

    (2)リベリアにおいては、長期に及んだ内戦により、コミュニティーが破壊され、ギニアやシエラレオネ等の隣国に多くの難民が流出(UNHCRによると2006年1月1日現在の難民数は23万1,100名)した。2006年1月の新政権発足を機に、隣国に逃れていた難民の帰還の動きが活発化し、2006年の11月には、約60万人の難民や国内避難民(内訳:UNHCRが支援した8万3,681名の難民、自主的に帰還した約20万の難民及びWFPが支援した32万6,655名の国内避難民)がそれぞれのコミュニティーに帰還した。多くの帰還先コミュニティーでは、基礎的インフラ(住居、水道、トイレ、医療施設、学校など)が破壊されたままの状況である。新大統領による新体制の下、今後大規模な難民及び国内避難民の帰還が予想されている。しかしながら、帰還先の整備が進まないまま帰還が続いた場合、帰還民が再び難民や国内避難民となってしまう可能性も否定できず、リベリアにおける平和の定着には、国の再建が開始されたこの時期に帰還民及び帰還先のコミュニティーに対する支援を実施することが急務である。

    (3)このような事情を背景として、UNHCRは本件プログラムを策定し、日本を含む国際社会に協力を要請したものである。

  3. 本件計画を通じて、約22万人の帰還民の再定住支援等を図ることにより、リベリア共和国における帰還民の定着が促進され、同国の平和の定着に資することが期待される。

(参考)
 リベリア共和国は、アフリカ中部に位置し、人口は約330万人、一人当たりGNI(国民所得)は約130米ドルの国である。

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