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エジプト・アラブ共和国に対する無償資金協力(貧困農民支援及び一般プロジェクト無償「ダマンフール農業機械化センター近代化計画(詳細設計)」)に関する書簡の交換について

平成19年2月20日

  1. 我が国政府によるエジプト・アラブ共和国政府に対する無償資金協力(貧困農民支援及び一般プロジェクト無償)に関する書簡の交換が、2月20日(火曜日)、カイロにおいて、我が方槇田邦彦駐エジプト国大使と先方ファイザ・アブルナガ国際協力大臣(H.E. Mrs. Fayza ABOULNAGA, Minister of International Cooperation)との間で行われた。

    (1)貧困農民支援 供与限度額2.9億円

    (2)ダマンフール農業機械化センター近代化計画(詳細設計)(the project for Modernization of Agricultural Mechanization Center in Damanhour) 供与限度額4,600万円

  2. エジプトは、年間降雨量が約5ミリメートルで、国土の大半が砂漠か岩山の不毛地帯であり、耕作可能な土地は国土の約4%にすぎない。同国の農業はナイル川の豊富な水資源を利用して行われ、かつては食糧の純輸出国であったが、近年は、過去10年間で約820万人(1995年比13.2%)という人口増加のために食糧の輸入が増え、食糧増産は国家の重要課題となっている。
     エジプトの主食であり、その消費量が食糧全体の5割を占める小麦は、半分近くを輸入に頼っており、小麦の生産性向上による生産量の増大が急務となっている。年間を通じた二期作、三期作が農業の主流であるエジプトは、農業生産を上げるために、農業機械を必要としている。農機は高価であるため、大多数の農民が農機貸出サービスを利用している。しかしながら、農機の絶対数の不足から多くの農民がこのサービスを受けられず手作業に頼っている。
  3. このような状況を踏まえ、我が国政府はエジプト政府の要請を踏まえ、以下の2件の無償資金協力を行うこととしたものである。

    (1)貧困農民支援

     エジプト政府は、全国的に農機貸出ステーションを量的・質的に拡充し、農民への農業機械化促進を図ることとしており、国内に農機貸出サービスや修理・訓練等を行う農業機械化センターを整備してきている。このような状況の下、エジプト政府は農業機械の調達に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。この支援の実施により、エジプトの貧困農民を支援するとともに、エジプトにおいて小麦の生産性向上が図られることが期待される。

    (2)「ダマンフール農業機械化センター近代化計画(詳細設計)」

     エジプト有数の農業生産地であるナイルデルタ地域西部地域のベヘイラ州ダマンフール地域には、修理施設や研修施設を有する農業機械化ステーションが存在せず、貸出サービスの質が低く、農機故障が頻繁に起こることから、農民の需要に適切な対応ができずに生産性が低下している。このような中、エジプト政府は、既存のダマンフール農業機械化ステーションに研修及び修理に必要な施設の建設と機材調達を行う、「ダマンフール農業機械化センター近代化計画」の実施のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     この計画の実施により、当該地域の農業機械化の支援体制を確立することが可能になり、ベヘイラ州ダマンフール(農地面積約39万ヘクタール)の約115万人の農民の所得が向上し、これを通じてエジプトの経済社会開発に貢献することが期待される。
     今回の書簡の交換は、同計画のうち詳細設計に対する支援に関して行うものである。

(参考)

 ピラミッドに象徴される古代文明の発祥の地であるエジプトは、地中海東岸の北アフリカと中東にまたがって位置する人口約7,400万人の国である。国土の大半が砂漠であるが、ナイル川沿いおよびナイル川デルタ地帯においては工業、農業が行われている。中東和平の推進やアフリカ開発問題等において積極的な役割を果たし、中東・アフリカを中心とした国際政治における重要な地位を占めている。

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