平成19年2月11日
- 我が国政府は、バングラデシュ人民共和国政府に対し、「第二次ダッカ市雨水排水施設整備計画(詳細設計)」(The Project for the Improvement of the Storm Water Drainage System in Dhaka City(Phase II))の実施に資することを目的として、3,200万円を限度とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が2月11日(日曜日)、ダッカにおいて、我が方井上正幸駐バングラデシュ国大使と先方アミヌル・イスラム・ブイヤン財務省経済関係局次官(Mr. Aminul Islam Bhuiyan, Secretary, Economic Relations Division, Ministry of Finance)との間で行われた。
- バングラデシュの首都ダッカ市は3つの大河川(ガンジス川、ブラマプトラ川及びメグナ川)によって形成されたデルタ地帯の海抜9m以下の平坦な低地であるため、ダッカ市内は周辺河川の洪水氾濫と豪雨による浸水の被害を頻繁に受けている。さらに、ダッカ市の近年の急速な都市化と人口増加(平均3.6%増/年)等を踏まえると、今後も浸水被害は増大する可能性が高く、首都ダッカ市の首都機能・経済活動への影響、保健・衛生面の改善から、雨水排水対策が重要となっている。
- このような状況の下、バングラデシュ政府は、ダッカ市内の雨水等を市外に排水するカラヤンプールポンプ場の増設とポンプ場の調整池につながる排水路に堆積した汚泥を浚渫するための機材の整備に係る無償資金協力を要請してきたものである。
- 今回の協力により、ポンプ場における排水能力が向上することにより、ダッカ市内の湛水時間の減少、湛水水位の低下等による浸水被害の軽減が期待されるとともに、ダッカ市内における水因性疾病の蔓延防止や経済活動への被害軽減に対する貢献が期待される。
(参考)
バングラデシュ人民共和国は、約14万4,000平方kmの国土と約1億3,000万人の人口を有し、ガンジズ、ブラマプトラ、メグナの三大河川によって形成された世界最大のデルタ(三角州)上に位置している。一人当たりのGNI(国民総所得)は約440ドルと発展段階の低い後発開発途上国であり、貧困削減が重要課題となっている。