平成19年1月23日
- 我が国政府は、モザンビーク共和国政府に対し「ザンベジア州及びテテ州地方道路橋梁建設計画(詳細設計)」及び「マラリア対策計画」の実施に資することを目的として、総額4億9,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月23日(火曜日)、安倍晋三総理大臣及び訪日中のアルマンド・エミリオ・ゲブーザ大統領の立ち会いの下、我が方三木達也駐モザンビーク国大使と先方アルシンダ・アントニオ・デ・アブレウ外務大臣(Ms. Alcinda Antonio de Abreu, Ministry of Foreign Affairs and Cooperation)との間で行われた。
(1)「ザンベジア州及びテテ州地方道路橋梁建設計画(詳細設計)」(The Project for Construction on Rural Roads of Bridges in Zambezia and Tete Provinces) 供与限度額 4,300万円
(2)「マラリア対策計画」(The Project for Malaria Control)供与限度額 4億4,900万円
- (1)「ザンベジア州及びテテ州地方道路橋梁建設計画(詳細設計)」
モザンビークでは、内戦後の国土復興の中長期国家計画として「国家再建計画」を策定し、都市部と農村部の経済的結びつきを強化し貧困の削減を図ることを目標に掲げている。ザンベジア州及びテテ州は農産物の生産量が多いが、両州では道路の橋梁はそれぞれ22%、49%が未整備となっており、農産物輸送に多大な支障を来しており、地方の経済活動の大きな阻害要因となっている。同国政府の厳しい財政事情から道路・橋梁の本格的な建設・改修は行い得ない状況にあるため、同国政府は、洪水や内戦により被害を被ったザンベジア州及びテテ州の地方道路(2次幹線道路)に架かる5橋梁の整備に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
本件実施により、対象橋梁における車両重量制限が25トン(仮設橋梁)から43トン相当に緩和され、雨期の出水による通行止め(2ヶ月)が解消される。また、対象となる地方道路の安全かつ安定的な交通が確保できるようになり、沿線地域住民55万人の経済活動の活性化に資することが期待される。
今回の書簡の交換は、同計画のうち詳細設計に対する支援に関して行うものである。
(2)「マラリア対策計画」
モザンビークの保健指標は、サブサハラアフリカ諸国の中でも劣悪であり、特に乳幼児死亡率が1000人当たり104人、5歳未満児死亡率が1000人当たり152人と高い数値を呈している。特にマラリアは、主要疾患の中でも最も死亡率が高く、同国民の健康に重大な影響を及ぼし経済発展上の大きな阻害要因とみなされている。こうした状況を改善するため、同国政府は「国家マラリア対策戦略」を策定し、2009年までに妊産婦及び5才未満児に対する蚊帳の普及率を95%とする目標を掲げ、上記目標の達成に不足する蚊帳の調達に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきた。本件の実施により、同国内5州(カーボデルガド、ナンプラ、マニカ、ソファラ、イニャンバネ)における妊産婦及び5歳未満児を中心に121万人分の蚊帳が供与されることとなり、これにより対象郡において国家マラリア対策戦略目標の蚊帳普及率95%が達成され、同国のマラリア罹患率及び死亡率の減少に資することが期待される。なお今回の協力は、アフリカにおけるマラリア対策のために我が国が表明した1,000万帳の蚊帳の供与の一環として実施するものである。
- また、これらの協力は昨年5月にエチオピアのAU本部において小泉純一郎総理大臣(当時)がアフリカ政策演説において表明したアフリカ支援の一環として実施されるものである。
(参考)
モザンビークは、総人口が1,980万人(2005年:世銀)で、一人当たり国民総所得が310ドル(2005年:世銀)の低所得国である。