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カンボジア王国に対する無償資金協力(セクター・プログラム無償資金協力及び「第二次プノンペン市洪水防御及び排水改善計画(詳細設計)」)について

平成19年1月22日

  1. 我が国政府は、カンボジア王国に対し、総額12億4,900万円の無償資金協力を行うこととし、このための書簡交換が1月22日(月曜日)、プノンペン市において、我が方高橋文明駐カンボジア王国大使と先方ハオ・ナムホン副首相兼外務・国際協力大臣(Mr. Hor Namhong, Deputy Prime Minister, Minister of Foreign Affairs and International Cooperation)との間で行われた。

    (1)セクター・プログラム無償資金協力 12億円
    (2)第二次プノンペン市洪水防御及び排水改善計画(詳細設計)(the project for the Flood Protection and Drainage Improvement in the Municipality of Phnom Penh, Phase II) 4,900万円

  2. セクター・プログラム無償資金協力について

     繊維製品以外に主だった輸出品がないカンボジアの貿易収支は慢性的に赤字となっており、特に、同国が大半を輸入に頼っている石油製品や建築資材等の基礎産業物資の購入のために支払われる外貨は、近年に増して同国の財政を逼迫させている。一方、同国政府は、このような厳しい財政状況を受け、公共財政管理改革、公営企業改革、民間セクター開発をはじめとした経済構造改善努力を行ってきている。
     今回のセクター・プログラム無償資金協力は、カンボジアの経済構造改善努力及び貧困削減に向けた取り組みを支援するために実施されるものであり、この資金は必要な基礎産業物資調達のために使用される。また、その見返り資金は、教育、保健等の同国政府が定める重点セクターのプロジェクトに対し活用されることとなっており、同国政府の財政歳入の拡充や、カバナンス支援、地方道路整備、灌漑施設修復、兵員削減支援、地方選挙支援など、経済インフラの整備や社会セクターの開発等に寄与することが期待される。

  3. 第二次プノンペン市洪水防御及び排水改善計画(詳細設計)について

     カンボジアにおいては1970年代より20年にわたって続いた内戦の間、プノンペン市内の洪水防御・排水施設の維持管理がなされないまま放置されたため、それら施設の機能が著しく低下し、その結果、市内を流れるトンレサップ川の堤防は毎年越水の危険にさらされていることに加え、降雨の度に浸水被害が市内各所で頻発している。
     一方、国内の政治的安定と治安回復に伴い、同市の人口は急激に増大しており、首都機能の保全や経済活動への悪影響の軽減、衛生改善等の視点から洪水・浸水に対する早急な改善対策が喫緊の課題となってきた。
     このような状況の下、カンボジア政府からの要請を受けた我が国は、2002年12月から2004年9月まで、プノンペン市西部・南部地域を対象とする「プノンペン市洪水防御及び排水改善計画」(第一次)を実施した結果、十分な治水・排水能力の改善が確認された。これの結果を受けて、今般、カンボジア政府は、第二次計画としてプノンペン市北部・東部・南部の一部を対象とする本件計画を要請してきたものである。
     本計画の実施により、対象地区における浸水被害規模が減少する他、プノンペン市の洪水防御機能が強化され、間接的効果として経済的被害発生の防止、衛生環境の改善、浸水による交通遮断時間の縮小に寄与することが期待される。

(参考)
 カンボジア王国は、東南アジアに位置し、人口1,380万人、国民1人あたりのGNI(国民総所得)は350ドルである。

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