平成19年1月17日
- 我が国政府は、エクアドル共和国政府に対し、「新マカラ国際橋建設計画(詳細設計)(proyecto de la Construcción del Nuevo Puente Internacional Macará)」の実施に資することを目的として、1,900万円を限度とする無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が1月16日(火)、エクアドルの首都キトにおいて、大統領就任式のために当地出張中の浅野勝人外務副大臣とマリア・フェルナンダ・エスピノサ外務大臣(Maria Fernanda Espinosa, Ministra de Relaciones Exteriores)との間で行われた。
- エクアドルとペルーの間では、19世紀より国境紛争が長期にわたり発生していたが、1998年10月に両国間で和平合意が署名された。これを受けて、二国間国境開発委員会が設立され、国境地域開発協定が締結され、両国は開発から取り残されていた国境地域の社会基盤の改善、貧困問題に共に取り組むこととなった。
二国間国境開発委員会は、国境地域の統合と開発を目的とした10ヶ年計画を策定し、その中で、4つの主要施策を掲げている。そのうちの一つが「国境の通行・交易の活性化のための国境インフラ・施設等を含むサービスの提供」であり、具体的には両国の国境を通過する主要道路である5路線の整備、国境橋の建設、国境施設(税関等)の一元化を重点課題として進めることとしている。この国境地域開発5路線のうちのパンアメリカンハイウェイ上に現「マカラ橋」が存在している。
現「マカラ橋」は、エクアドル南部とペルー北部の国境に位置している橋梁であるが、1964年に設計荷重20トンで建設されたものであり、老朽化が進むと同時に、近年大型のトレーラー、トラック等の走行が多くなっていることから、床版の損傷が発生しており、国際橋として危険な状況となっている。
この状況の下、エクアドル政府及びペルー政府は上記問題に対処するため、「新マカラ国際橋建設計画」を策定し、わが国に対し無償資金協力を要請してきたものであり、今回の書簡の交換は同計画のうちエクアドルに対する詳細設計に関し行われるものである。
- 本計画を実施することにより、本橋梁を通行できる車両重量が現在の20トンから40.9トンに増大することにより、エクアドル・ペルー間で安定した物資・人員の輸送が確保され、中南米を南北に縦断するパンアメリカン・ハイウエイの機能が向上する。
また、国境交通のボトルネックとなっている橋梁が改善されることにより、両国間の物流が促進され、地域の開発、地域格差の是正、医療・教育施設へのアクセスの改善、両国の統合促進、和平定着が図られる。
(参考)
エクアドルは、南米国の一つであり、人口は1,303万人。農業、水産業を主要産業としている。1人当たりの国民所得は、2,210米ドル。