平成18年12月12日
- 我が国政府は、モルディブ共和国政府に対し、1億4,000万円を限度とする額の無償資金協力(食糧援助)を行うこととし、このための書簡の交換が、12月12日(火曜日)、モルディブ共和国のマレにおいて、我が方荒木喜代志駐モルディブ共和国大使(スリランカにて兼轄)と先方アフメッド・シャヒード外務大臣(Hon. Ahmed Shaheed, Minister of Foreign Affairs of the Republic of Maldives)との間で行われた。
- モルディブは、国土が約1,200の島々からなり、うち198の島に人が住んでいるが、ほぼ全ての島が環礁で農業に適した土地は30平方kmに満たず全土地面積の10%以下である。また、農地もアルカリ分が多く穀物生産に適さないやせた土地であることから生産性は低く、主食である小麦粉は100%輸入に依存している。そのため、食糧が国際価格の変動の影響を受けやすく、常に食糧安全保障の問題を抱えている。また、モルディブは、一昨年の津波により甚大な被害を受け、現在本格的な復興に向かっているところであるが、そのための財政支出が増加している。
- このような状況の下、モルディブ政府は、食糧不足の改善・安定供給、物価安定、及び津波被災復興事業による外貨負担の軽減等のため、小麦粉の輸入に必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請した。
- 我が国としては、モルディブの地政学的な重要性や、国連改革でのG4決議案の共同提案国となる等我が国との伝統的な友好関係を維持するためにも、ODAを通じて同国の社会経済的発展を支援することが重要との認識の下、今般食糧援助の実施を決定したものである。
- 我が国はモルディブに対して1981年より継続的に食糧援助を実施しており、我が国食糧援助により供与された小麦粉は国内消費の約半分を占めていることから、今回の支援が同国の食糧安定供給に大いに貢献することが期待される。また、今回の支援により、同国政府が本来食糧輸入のために要する予算を津波復興のためにあてることができるようになることから、逼迫している同国の財政状況の緩和にも貢献することが期待されている。
(参考)モルディブは、インド洋に位置する人口約30万人の国。