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エジプト・アラブ共和国「第四次上エジプト灌漑施設改修計画」に対する無償資金協力について

平成18年12月11日

  1. 我が国政府は、エジプト・アラブ共和国政府に対し、「第四次上エジプト灌漑施設改修計画」の実施に資することを目的として、総額4億3,200万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が12月11日(月)、同国の首都カイロにおいて、我が方槇田邦彦駐エジプト大使と先方ファイザ・アブルナガ国際協力大臣(H. E. Mrs. Fayza ABOULNAGA, Minister of International Cooperation)との間で行われた。
  2. エジプト・アラブ共和国はアフリカの北東部に位置し、その国土の殆どは砂漠である。降雨がほとんどない同国の農産物生産は、一部地域を除いてナイル川からの灌漑用水に全面的に依存している。本件対象地である上エジプト地域の農業は、生産量においてエジプト国内の30%を占めるが、ナイル川の水をポンプで汲み上げた灌漑による農業が殆どである。しかしながら、この地域の農業の生命線であるポンプ場は、老朽化が著しいため近年取水能力が低下している。このため、受益地の灌漑用水が不足し、農業生産性の向上の阻害要因となっている。
  3. このような背景の下、エジプト・アラブ共和国政府は、上エジプト地域における老朽化が著しい8カ所のポンプの改修のために必要な資金につき、我が国政府に対し無償資金協力を要請してきたものである。
     本件計画により調達される機材の活用により、上エジプト地域における灌漑状況が改善し、農産物の生産性向上が確保され、農業生産所得が向上することにより、貧困軽減、生活環境改善にも資することが期待される。
  4. 我が国はこれまで、第一次~第三次上エジプト灌漑施設改修計画において26カ所のポンプ場の改修を無償資金協力にて実施してきている。今回の協力により、灌漑地へのポンプ総水量が年間28.6百万立方メートルから35.4百万立方メートルと24%増加し、安定した灌漑用水が供給されることにより、対象地域の農民約1万5,300人に裨益することが期待されている。

(参考)
 エジプトは、ピラミッドに象徴される古代文明発祥の地で、地中海東岸の北アフリカと中東にまたがって位置する人口約6,900万人の国である。国土の大半が砂漠であるが、ナイル川沿いおよびナイル川デルタ地域においては工業、農業が行われてきている。中東和平の推進やアフリカ開発問題等において積極的な役割を果たし、中東・アフリカを中心とした国際政治における重要な地位を占めている。

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