平成18年11月29日
- 我が国政府は、ギニア共和国政府に対し、「ブルビネ零細漁港拡張計画」(Projet d' extension du port de pêche artisanale de Boulbinet)」の実施に資することを目的として、総額4億500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が11月29日(水曜日)、コナクリにおいて、我が方片岡林造駐ギニア大使と先方シディベ・ファトゥマタ・カバ国際協力大臣(Madame Sidibe Fatoumata KABA, Ministre de la Coopération Internationale de la République de Guinée)との間で行われた。
- ギニア共和国の首都コナクリでは、5000人弱が零細漁業を営み、首都に対する安定した食糧供給を担っている。特に、2000年に我が国無償資金協力により整備したブルビネ漁港は、コナクリ漁民のほぼ半数、登録漁船数の3割弱が所属し、同港が唯一のEU向け輸出鮮魚水揚げ指定港となったこともあり、他港の登録漁船を含めコナクリのおよそ55%の漁船が水揚げしている。その結果、当初の設計規模を上回る2.3倍の漁船が集中し、水揚げ量も2倍に達している。他方、水揚げと港湾関係者、一般消費者の増大により、当初想定していなかった地域市場としての機能を有するに至り、水揚漁港として増大する水揚げ量に対応できないのみならず、係船・荷捌き・製氷等の既存施設が常に飽和状態となり、衛生的、安全かつ効率的な水揚げ作業に支障を来しているのが現状である。
このような背景のもと、ギニア共和国政府は、ブルビネの港内混雑の問題の解決、漁港の機能向上・各作業の効率化、零細漁民・関係者の収入向上を目的として、既存のブルビネ零細漁港の敷地拡張、桟橋の拡充、製氷・冷蔵施設及び燻製加工施設の増設などを内容とした「ブルビネ零細漁港拡張計画」を策定し、我が国に対し無償資金協力を要請したものである。
- この計画の実施により、漁港内の混雑が解消され、効率的な水揚げ作業や燻製加工品の増産が期待されるほか、鮮魚・燻製品の国内外への流通が盛んになることにより、漁業関係者の収入が向上することが期待される。
(参考)ギニア共和国はアフリカの西岸、北緯10度前後に位置し、国土面積は約25万km2と我が国本州とほぼ同じ面積で多様な自然と民族を抱えている。同国総人口は約940万人。