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ラオスの「ヒンフープ橋建設計画」に対する無償資金協力について

平成18年11月27日

  1. 我が国政府は、ラオス人民民主共和国に対し、「ヒンフープ橋建設計画(詳細設計)」(the Project for the Construction of Hinheup Bridge)の実施に資することを目的として、総額3,500万円を限度とする額の無償資金協力を行うこととし、このための書簡の交換が11月27日(月曜日)、ビエンチャンにおいて、我が方桂誠駐ラオス国大使と先方トンルン・シースリット副首相兼外務大臣(H. E. Dr. Thongloun Sisoulith, Deputy Prime Minister and Minister of Foreign Affairs)の間で行われた。
  2. (1)ラオスは内陸国であるため、輸送の殆どを陸上輸送に依存しており、旅客では約94%、貨物では約77%を占めている(ラオス全体の道路総延長は33,900km)。ラオスはインドシナ半島の中心に位置し、周辺5カ国と国境を接していることから、我が国が重視しているメコン地域開発構想における「東西回廊」の中心的地位を占めているが、ラオス国内の道路インフラは山岳地が多い地形のため整備が遅れている状況である。

    (2)ラオスは2020年までに開発途上国(LDC)から脱却するとの長期国家開発目標を掲げており、ラオス政府が2004年に策定した「国家成長・貧困撲滅戦略(NGPES)」において、運輸インフラ整備が重点分野に位置づけられている。また、ラオス政府が本年策定した2006年~2010年を対象とする「第6次社会経済5カ年計画」では、社会経済開発のためのインフラ整備が課題とされている。

    (3)ラオスを南北に縦断する国道13号線は、ラオス国内主要都市ほぼ全てを通過する最重要幹線であり、我が国を始めとする国際機関の支援を受け、首都ビエンチャン以南の13号線区間は2車線全天候型道路として整備が完了している。他方、本件ヒンフープ橋は、首都ビエンチャンとラオス北部の中心都市であるルアンパバーンを結ぶ区間上に位置しているが、1939年の建設後、1990年代に上部工のみ改修されただけであり、橋脚は極めて老朽化し落橋の危険性をはらんでいる。また、現在の橋は幅員が狭く両車線の交互通行が出来ないため通行量が制限され、北部地域全般の発展の障害となっている。このような状況下、ラオスは、国道13号線の安全かつ円滑な交通を確保する目的で、同橋の建設のために必要な資金につき我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。

  3. 本件計画実施により、ヒンフープ橋の耐荷力が増強され、円滑で安全な通行が確保されるとともに、物流輸送力の強化及び通過交通量の増加による北部地域の経済活動の活性化に寄与することが期待される。

(参考)・ラオス人民民主共和国は、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国であり、人口560万9,000人(2005年3月)、国民一人あたりのGDP(国内総生産)は491ドル(2005年)である。

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