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「ハイチ共和国における予防接種強化計画」に対する無償資金協力について

平成18年11月18日

  1. 我が国政府は、ハイチ共和国政府に対して、国連児童基金計画(UNICEF)を通じ、総額2億400万円の無償資金協力を行うことを決定し、このための書簡の交換が、11月18日(土曜日)(現地時間17日(金曜日))、ポルトープランスにおいて、我が方中川幸子在ハイチ臨時代理大使と先方アドリアーノ・ゴンザレス=レゲラル在ハイチ・ユニセフ代表(Adriano GONZALEZ-REGUERAL, UNICEF Representative in Haiti)との間で行われた。
  2. ハイチは、1990年代以降の国内混乱により経済社会情勢が悪化し、さらに2004年の政治的混乱の発生により、同国の保健医療体制は大きな影響を受けている。保健分野における指数も下降の一途であり、乳児死亡率は出生1,000人単位に対し83人、5歳未満児死亡率は1,000人単位に対し112人、また妊産婦死亡率は出生10万人単位に対し523人と中南米カリブ地域で最も高く、アフリカの最貧国の指数に匹敵するレベルにある。1990年代には70%を超えていた予防接種の接種率は近年大きく落ち込んでおり予防接種で予防可能な感染症への感染が懸念されている。1990年には発症を抑えることの出来た麻疹が、2000年に流行し1,000名近い感染患者が確認されたほか、1990年代には報告されることのなかったポリオウィルスによる小児麻痺の発症に関しても2001年に新たに8件の症例が報告されるなど、予防可能な感染症が拡大しつつある。
     かかる状況において、我が国は2004年度から、政治混乱によって打撃を受けた予防接種体制を復旧させるために、ユニセフを通じた予防接種実施のための支援を行っているが、同国の予防接種実施体制は未だ貧弱であり、引き続き予防接種で予防可能な感染症への早急な取り組みが必要である。
  3. このような状況のもと、ハイチ政府及びユニセフは予防接種強化計画を実施するために必要な(1)ワクチン、機材(注射器等)、資材及びその調達に関連する役務の供与、(2)ワクチン保管倉庫の改修に必要な生産物及び役務の供与に必要な資金につき、我が国に対し無償資金協力を要請してきたものである。
  4. 今回の援助により、ハイチにおける予防接種実施体制の強化が図られ、乳幼児および妊産婦に対するワクチン接種を通じて、感染症対策の強化が期待される。

(参考)
 ハイチ共和国はカリブ海に位置し、フランスを旧宗主国とする、人口約859万人、面積は約2.78万キロ平方メートル、一人あたりのGNI(国内総所得)が440米ドル(2005 年)(世銀)の国である。

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